「いけず石」のあまりにも強力すぎる攻撃力が、SNS上で大いに話題となっている。
いけず石とは、主に京都の路地や曲がり角にある住宅の敷地の端に置かれている石のことで、自動車が侵入したり、壁や塀に接触するのを防ぐ目的がある。「いけず」とは関西では「意地悪」を意味するが、「この石から中にはいけず」という説もある。
京都にはおよそ1万個が置かれていると言われるが、いけず石の目撃情報はこのほか、東京や中国地方など日本全国から寄せられている。最近は物珍しさもあって、SNSにいけず石を投稿するのがちょっとしたブームになっているのだとか。
実際、Xにはこんな投稿が。
「いけず石は最高なんだよね~。2~30万する柵とか買ってきたバリケードぶっ壊されるよりも石で車削る方が断然良い。平気で私有地入り込んで柵壊してくる人間普通にいるからね。防犯カメラなきゃ泣き寝入りだもの」
「角地に住んでるとよく分かるけど、めちゃショートカットされます。車当て逃げされたこともある。こんな狭い所だったら車じゃなくて家を直に削られる。いけず石って、余計なトラブルをお互いに避ける京都人の思いやりなんやと思いますわ」
いけず石の効力を絶賛する声が上がっており、その防衛力・攻撃性の高さに注目が集まっているのだ。
交通ジャーナリストが語る。
「特に狭い道では内輪差を考えずに曲がる車がいて、そのたびに塀や柵を壊され頭を悩ませている住民も少なくありません。SNSで話題になっていることもあり、自宅に設置してみようと考えている人がいるかもしれませんが、気をつけなくてはならないのは、場合によって道路交通法に抵触する可能性があることです。実際、敷地内ではなく、明らかに道路にいけず石を置いているケースも見かけられ、やりすぎれば道路交通法違反ではなく、刑法の往来妨害罪という罪に問われる恐れもあります」
運転中は地面に置かれた石が目に入らないこともあるだけに、狭い道での曲がり角は特に注意を払って走行することを心がけたい。
(ケン高田)