「服を脱いで」「子宮を動かして」性的犯罪に走る占い師の“卑猥手口”を告発

 占いに来た23歳女性の下腹部を触ったとして、神戸市須磨区で「占い喫茶」を経営する67歳の男が性的犯罪の容疑で兵庫県警須磨署に逮捕されたのは10月1日のこと。男は神戸市営地下鉄駅前の商店街にあるビルの一室で、35年以上前から、この店舗を経営してきたというが、

「直接の逮捕容疑は今年3月、店に来店した女性が『運気を上げたいんです』と男に相談。すると『それやったら子宮を動かしたらええんや。ちょっと、足を広げてみて』と、男が女性に開脚ポーズを取らせ、女性の肌着の中に手を突っ込んで下腹部を弄んだというものです。驚いた女性はすぐに店から飛び出し、翌日署に被害届を出したのですが、密室の行為ということもあり、立件するための裏付け捜査に時間がかかり、約7カ月後の逮捕となったようです」(地元紙社会部記者)

 店のHPによれば、男は幼少の頃から手相を学び、鑑定歴は55年以上。これまでに25万人以上の手相を見てきたとされるが、

「男がこの店で行っていたのが『開運珈琲占い』というもので、これはコーヒーの上に貼った金箔の膨らみ方などから、願い事がかなうか否かを占うというもの。小さな膨らみがカップいっぱいに広がるのが吉相だとか。男はそんな開運法を著書としても出版。それがメディアでも度々紹介され、HPでのふれこみによれば、テレビ18本、雑誌21誌に登場したとあり、ことの真意はともかく、地元では常連客も多い、なかなかの人気店だったようです」(前出・社会部記者)

 調べに対し男は、「承諾を得て体を触ることはあるが、下腹部は触っていない」と容疑を否認しているというが、所轄署では余罪があるとみて、さらに捜査を進める方針だという。これまでにも、占いやマッサージ店といった密室での性被害はたびたび報じられてきた。

 実際、都内の占い店で性被害に遭いそうになったという女性に話を聞くことが出来た。

 A子さん(仮名・43才)が、街頭で男性占い師に夫婦関係について占ってもらったのは3年前ことだった。

「もともと、占いなんて信じてはいないんですが、その頃、ちょうど子供のことで夫と喧嘩が多くなっていた時期で、誰かに話を聞いてほしかったんでしょうね。で、通りすがりに路上占いを見つけて、まるで吸い寄せられるように行ってしまったんです」

 すると、「夫の性格」や「夫婦喧嘩の原因」や「子供への不満」など、自分が抱えている悩みを占い師にピシャリと当てられて驚くA子さん。占い師から「もっと詳しく占ってあげますから、私のお店に来ませんか」と、近くにあるワンルームマンションに誘われたという。

「最初は先ほどの話の延長だったんですが、10分ほどした頃から、話題が“夜の営み”になって……。私も占い師を信じ始めていたため、軽い気持ちで『もう、3年くらいしてないんですよね』と“レス”を告白してしまったんです。すると、『きっと原因はあなたにあるはずだ。良い気を送ってあげるから、服を脱いでみなさい!』と肩に触れられたんです」(A子さん)

 瞬間、我に返ったというA子さんは、そのまま逃げるようにマンションを飛び出し、間一髪、難を逃れたそうだが、翌年、男が性的犯行に及んで逮捕されたというニュースを見て震えが止まらなかったという。

「もしあの時、あのままマンションにいたらと考えると、今でも恐ろしくて。もう金輪際、占いはこりごりですね」(A子さん)

 性的犯罪に詳しいジャーナリストが言う。

「やはりオープンな店に比べ、相談者と密室で2人きりになる個室の場合は、性被害のリスクが高くなることは事実。と同時に、占いやマッサージなどは、個人事業として行われているケースが多いため、フランチャイズの本部のように苦情を訴える窓口がありません。特に占い師などは免状などがなくても営業できるため、資格のはく奪というペナルティーもない。そうなれば、たとえ逮捕時に本名で報道され、有罪判決を受けても別の場所に移り、名前を変えれば同じように活動を再開することは難しくない。その証拠に逮捕歴のあるマッサージ師が、別の土地でまた個室マッサージ店を開業し、同じような事件を起こして逮捕されるというケースもありますからね。A子さんに言い寄った占い師も、もしかしたら別の場所で事件を起こした“犯歴アリ”の人物かもしれません」

 今回逮捕されたのは氷山の一角に過ぎないのだろうか。コロナ禍の不安につけ入る不届きな輩にはくれぐれも注意が必要だ。

(灯倫太郎)

※写真はイメージです

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