コロナ“第3波”の拡大を受け、政府が呼びかけた「勝負の3週間」も残り1週間。未だ感染増は収まらず、医療機関は悲鳴をあげ、経済活動の自粛ムードに繁華街の飲食店もつらい状況が続いている。老舗クラブで長年ホステスをしている女性は忘年会のない年末を嘆いた。
「コロナも勝負の3週間に局面しているかもしれないですけど、私たちにとって12月は勝負の1か月だったんです。例年なら12月になった途端、忘年会の予約が入って、自分のお客さんがたくさんの“枝客”を連れてきてくれるし、クリスマスに向けて売り上げを伸ばせる時期なのに、今のところ忘年会はゼロ。週末の夜も閑古鳥が鳴いてますよ」
11月中はGoToキャンペーンも盛り上がりを見せ、経済の回復が見込める雰囲気だったこともあり、12月に入ってからの客数の減少が見込めていなかった接待店が多いようだ。その経営悪化のしわ寄せは、クラブに在籍するレギュラー嬢に及んでいるという。
「12月の商戦期を迎えるのに、お店も女の子の頭数を増やしたいから、派遣業者と例年どおり契約して、派遣ホステスをたくさん雇い入れちゃったわけです。忘年会シーズンは団体客がひっきりなしにやってくるので、普段ならヘルプは大助かりなんですけどね。派遣は契約で、勤務時間や給料も保障されているから、売り上げで店に貢献しているはずの私たちから削られて、毎日早上がりさせられて…。売り上げが立たないイライラも相まって、派遣の子に憂さ晴らしをぶつける女の子もいます。あえて“飲み客”の席に呼んで無理にドリンクを頼ませて酔い潰れるよう仕向けたり、お客さんの前で恥をかかせたり、パワハラというか、イジメというか…」(前出・ホステス女性)
忘年会シーズンに見込んでいた団体客は、“第3波”でもろくも消え去ってしまった。夜のクラブの大誤算がホステスたちの仲をギクシャクさせているようだ。
(浜野ふみ)