かつてシルクロードとして栄えながらも日本人には馴染みの薄い中央アジア。先日までナゴルノ・カラバフ自治州をめぐって激しい紛争を繰り広げていたアゼルバイジャンとアルメニアをはじめ、大半は90年代初頭まではソ連だった地域だ。
99%以上の日本人はまず行くことのない場所だが、ここには“中央アジアの北朝鮮”と呼ばれる独裁国家が存在する。それがトルクメニスタンだ。
この国は1991年に旧ソ連から独立。オイルマネーで経済的には潤っているが、世界でも大変珍しい半鎖国体制を敷いている。観光ビザの個人申請は不可能で、ビジネスマン以外には少数のツアー客が訪れる程度だ。
首都アシガバードでは外国人の夜間外出が禁止されており、秘密警察が街のあちこちで目を光らせている。お世辞にも居心地がいいとは言えないが、そんな同国にもピンク産業は存在する。
「一部の中級以下のホテルでは、ロシアなど他国から来た女性たちが客を取るために長期滞在しています。出張客や個人旅行者がターゲットらしく、自分の部屋にも女性たちが何人も売り込みにやって来ました(苦笑)」
そう語るのは、数年前に旅行でトルクメニスタンを訪れた20代の会社員。実は、観光ビザではなく“経由地”として第三国に向かうためのトランジットビザは発給しており、この裏ワザを使っての滞在は可能だとか。彼はあくまで旅が目的だったが、女性のひとりがスタイル抜群のロシア系美女だったため、誘惑に負けて濃厚なひと時を過ごしたという。
「私は交渉の末、30ドル払いましたが、これでも何も知らない外国人相手のボッタクリ価格。もともと物価は中央アジアでも最安で、地元の人ならその半分以下でOKだったようです」(前出・会社員)
ちなみにホテル内で客を取る女性のほかにも市内のディスコで営業をかける女性たちも多いとか。ただし、こちらはあくまで地元民向けで、外国人にはリスクがあるという。
「因縁をつけて金品を要求する警官がいるらしく、応じないと逮捕されるケースもあるそうです。そういう悪徳警官がいるって話は噂に聞いていて、同じ宿に泊まっていたロシア人ビジネスマンにも忠告されていたのでディスコでの女性漁りは諦めました。意外と美人が多いと聞いていたから興味はあったんですけどね」(前出・会社員)
いくら閉鎖的な国であっても、商魂たくましい女性たちは闇のピンク産業でしっかりと“外貨”を稼いでいるようだ。
(トシタカマサ)
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