「落合とは雲泥の差…」阪神矢野監督が“会食騒動”で犯した致命的ミスとは?

「あれじゃあ、選手を責められたもんじゃない。今季はすっかり“終戦モード”で、監督に残された責務としては、引退する藤川球児のために“最後の花道”をしっかり作ること。あとは来季の完全復活につながるよう、藤浪晋太郎に調整の場を与えるくらいしかないんじゃないか。現段階では来季も続投ってことになっているけど、クビになる可能性も捨てきれないよ」

 球団関係者が明かすのは、10月4日の中日戦で完封負けを食らって3位に転落した阪神タイガースのお寒いチーム事情と矢野燿大監督の“処遇問題”だ。

 事の発端は、「夕刊フジ」が10月12日にスッパ抜いた矢野監督の会食問題。今夏の遠征中、試合後に内規で定められた「4人以内」を上回る大人数で会食していたことが明らかになったのだ。

「ルール違反と指摘された会食は、矢野監督が事前に球団に申し出て許可を得ていたとのことですが、その報道が出る前日の10月11日、同じく“集団会食”で内規違反に問われていた福留孝介外野手、糸原健斗内野手、岩貞祐太投手ら選手10名とチームスタッフ1人に制裁金を科す処分を発表していたんです。当然、『監督はお咎めなしで選手だけ処罰されるのか』といった不満が球団内部からもあがっていました」(スポーツ紙デスク)

 一部スポーツ紙の報道によれば、球団オーナーはすでに来季の続投を矢野監督に要請。矢野監督も取材に対して、「背中を押してもらっている。その気持ちに応えたいって気持ちは強い」と前向きなコメントを発したが、前出の球団関係者はこう言って不安をのぞかせる。

「会食した事実よりも、記事になったことが矢野監督のワキの甘さを物語っている。会食は捕手を含めたバッテリーミーティングのようだけど、それならば、チームの“頭脳”とも言うべきメンバーが集まったということ。そして、その中の誰かがマスコミにリークしたという見方もできる。つまり、身内に刺されたってことでしょう? プロ野球っていうのは情報戦でもあるんだから、会食の極秘情報が外部に漏れること自体が大問題でしょう」

 対照的なのが2004年から中日ドラゴンズの監督に就任し、8シーズンで4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏だ。前出の球団関係者がため息交じりに私見を述べる。

「落合が就任1年目でやったのは内部にいる“スパイ”のあぶり出しだって聞いたよ。川崎憲次郎を開幕投手に抜擢した意図は今でもよくわからないけど、この起用を川崎本人と自分が連れてきたコーチにしか伝えなかったのは、誰が外部に情報を漏らしていたか見極めるためだったなんて話もある。怖い人だよね。1年目のオフに少しでも疑惑のあるコーチをいっせいにクビにしたっていうんだから。阪神の監督は注目度が高いし、ファンの風当たりも強いから、どうしても精神的な支えとして周囲にイエスマンばかりを置きたがる。結果、コーチ全員の意見を聞き入れるもんだから采配がブレブレになって選手からも信頼を失うことになる。今の矢野阪神がまさにそれ。挙句の果てに、監督辞任にもつながりかねないネタをリークされてるんだから、落合とは雲泥の差。監督の威厳もへったくれもないかもしれないね」

 指揮官が致命的弱点を露呈することとなった「会食騒動」は、チームに大きなしこりを残すことになりそうだ。

(渡辺俊哉)

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