9月29日、飲料メーカーの「ダイドードリンコ」が公衆衛生品を自動販売機で販売すると発表した。第一弾として10月下旬よりマスクと除菌ウェットティッシュを順次全国展開していき、約3000台での販売を予定しているという。今後はさらに、飲料以外のものを扱う自販機が増えてくると予想されている。
「ダイドーが新たに自販機で販売を始めるのは、不織布マスク2枚入りと除菌ウェットティッシュの10枚入りで、どちらもビンに入った状態で売られ、値段は200円となります。若干、価格設定は高めにはなりますが、《出先で忘れた時にちょうどいい》《近くにコンビニがないときに助かる》などSNSなどでは好意的な反応が多く見られました」(ネットライター)
日本自動販売システム機械工業会によれば、2000年に全国の自販機の設置台数は約560万台まで増えたがその後は減少が続き、19年は約410万台にまで落ち込んでいるという。さらに飲料総研の調べによると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今年4月の自販機の清涼飲料出荷数は前年比33%減と大幅に減少している。
「コロナの影響で、野外に置いてある自販機で飲料を買うのは不安と思った方も多いのではないでしょうか。しかし、自販機は非接触型販売の最たるものなので、ウィズコロナとなるこれからの時代は缶やペットボトル飲料など直接口を付けるもの以外の商品を売るには十分ビジネスチャンスがあると思います。実際、最近ではおにぎりやサンドイッチなどを販売する“自販機コンビニ”の開業も急増しています。ダイドーはこれまでも紙おむつやストッキングなど飲料以外のものも自販機で販売してきましたが、マスクと除菌ウェットティッシュの販売を決めたことで、すでにトイレットペーパーやホッカイロ、絆創膏などのリクエストが届いているといいます」(前出・ネットライター)
コンビニよりも近くて誰とも接触することなく購入できる自販機には、今後様々な商品が登場するかもしれない。
(小林洋三)