すぐに溜まってしまって処分に困るものの一つに、雑誌がある。週刊誌に月刊誌…資源ゴミの日にどっさりと捨てる方も多いのではないか。しかしこの雑誌の中には、数十年の時を経て思わぬプレミア価格がつくものもあるのだ。
ネットでの古本の転売も幅広く行っている都内古物商店主に話を聞いた。
「高額なプレミア価格がつく雑誌は、ほんの一部。星の数ほど販売されてますからね。高値がつくポイントは幾つかあります。発行年代では、明治、大正、昭和初期あたりまではすでに出回っている数が少ないことからそれなりの値がつきます。当時の雑誌は『少年倶楽部』や『少女の友』といった少年少女向けのものが多いですね。まだ読み物というジャンルが子供向け中心だったためでしょうね」
大人向けのものでは、昭和初期の汽車の時刻表や、「海軍雑誌 海と空」などといった戦前の軍部が発行していた冊子など、かなりマニアックなものに高値がつくという。また、収集家が多く、一定の需要が見込めるのが漫画雑誌だ。年代にかかわらず、専門コレクターが多いせいか、創刊号と廃刊や休刊の最終号に思わぬプレミア価値がつくことも……。
「漫画雑誌ですと、人気漫画の連載開始の号に大きな付加価値がつきます。例えば『週刊少年ジャンプ』のケースですと、『ドラゴンボール』の連載が始まった1984年51号などは、現在6万〜8万くらいの値で取引され、『キン肉マン』が初めて掲載された1979年22号は2万円前後、『ジョジョの奇妙な冒険』の1987年1・2号には2万5000円前後と、いずれも当時の定価の100倍以上の値がつきます。増刊号のみプレミア価値がぐっと上がるというケースもあります。例えば90年代前半の『コミックボンボン』季刊増刊号は希少価値が高く、2万円以上で取引されています」(前出・古物商店主)
実家に帰省した際などに、物置で埃をかぶった古雑誌を見つける機会があるかもしれない。
「いずれにせよ、値段というのは購買側がどれだけ求めるかが全てですので、これは売れないだろうと自分で判断して捨ててしまわずに、ネットで流通価格を調べたり、買取業者に査定を申し込むことをお勧めします」(前出・古物商店主)
数十年前は単なるゴミだったのが、何がきっかけでお宝に化けるか予想もつかない。古雑誌コレクションの醍醐味かもしれない。
(オフィスキング)