航空業界に吹き荒れるリストラの嵐!成田の客室乗務員ベースも閉鎖され…

 コロナの影響で世界的に危機的状況に陥っている航空業界。JALやANAは現時点で従業員の解雇を行っていないが、来春の新卒採用の中止をすでに発表。また、ジェットスタージャパンも従業員の希望退職を募集している。

 だが、もっと深刻なのが海外の航空会社。5月には南米有数の規模を誇るアビアンカ航空(コロンビア)、それと日本でもおなじみのタイ国際航空が相次いで経営破綻。8月には英国の大手エアライン、ヴァージン・アトランティック航空が米国で日本の民事再生法にあたる米連邦破産法15条の適用を申請したことを発表した。

 今のところ、なんとかもちこたえている他の航空会社も深刻な状況で、CAや地上職員だけでなく、つい最近まで人手不足で世界的に囲い込みを行っていたパイロットの解雇にも踏み切っている。特に大手航空会社は社員の解雇も大規模なものとなり、一度に数千人というケースも珍しくない。だが、これに戦々恐々としているのが外資系エアラインに勤める日本人社員だ。

 アジア系航空会社の勤務する20代の女性地上職員は、「親しい外国人の同僚がすでに何人もクビを切られています。私は運良くまだ会社に残れていますが、今この瞬間にリストラを宣告されてもおかしくない状況です」と明かす。

 実際に外資系航空会社によっては日本国内の事務所を縮小したり、一時閉鎖するところもあり、それに伴う人員整理なども行われている。例えば、ユナイテッド航空は10月1日をもって成田にある客室乗務員の拠点(ベース)を閉鎖することを発表。これにより150人以上の日本人CAが失職する可能性があるという。

 世界の航空業界がコロナ前の状態に戻るのは、少なくとも2024年以降と言われており、当面は厳しい状況が続く見通しだ。そのため、解雇されても同業他社に転職することが困難で、すでに諦めて業界とはまったく関係のない異業種に職を求める人も増えている。

 少し前までは人気業界のひとつで収入などの待遇面も良かった航空業界。現場で働く人にとっては、まだ数年は不安定な時期が続くことになりそうだ。

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