オークションサイトでマイルが落札できる!?「売買禁止」でも出回る航空事情

 一定のマイルを貯めることで、国内線や国際線の航空券に交換できる航空会社のマイレージサービス。通常は飛行機の搭乗をはじめ、航空会社のウェブサイト経由でのホテルやレンタカーの予約、ショッピングなどに応じて加算されていくものだが、お金を払ってマイルが購入できるのを知っているだろうか?

 ちなみにマイルを購入できる主な航空会社は、デルタ航空やユナイテッド航空、ブリティッシュエアウェイズなど(※2020年9月現在)。いずれも各エアラインの公式サイト内でマイルを買うことが可能だ。しかも、ブリティッシュエアウェイズはJAL、ユナイテッド航空はANAとそれぞれ同じ航空会社連合に属しており、自社便以外の航空券への交換もできる。

 ただし、JALとANA自体はマイルの販売を行っていない。ANAの規約にも《会員または指定利用者が、提供された特典をいかなる形でも第三者への譲渡をしたり、売買したり金品と交換することを禁止します》とある。だが、ヤフオクなどの一部オークションサイトを見ると、両社のマイルが数多く出品されている。

 これは最近に始まったことではなく以前から行われており、完全に規約に反している。実際にオークションサイトでマイルを購入した経験を持つ複数の人に話を聞いたが、いずれも「お金を振り込んだら数日~1週間ほどで自分のマイレージカードにマイルが加算された」と話しており、詐欺というわけでもないようだ。

 これについて航空業界に詳しいライターは、「例えば、キャンペーンなどで顧客に航空会社のマイルをプレゼントするケースがありますが、その場合は企業が航空会社からマイルを購入しています。しかし、マイルを顧客に還元しきれず余ってしまうことも多く、そうした一部のマイルをオークションサイトで流していると言われています」と裏事情を暴露する。

 確かに、公式には「売買禁止」を謳いつつも出品自体が禁止になる様子もない。つまり、オークションサイトでの販売を黙認している可能性が高いのだ。

「この方法で購入したマイルで航空券に交換もできますし、マイレージ会員の資格を停止されたという話も聞きません。でも、今は大丈夫でも今後、突然ダメになる可能性は否定できないため、購入する場合はそのリスクがあることも知っておくべきでしょうね」

 この方法を駆使すれば通常よりお得に航空券を入手することもできるかもしれないが、購入する場合はくれぐれも「自己責任」を心に留めておくべきかもしれない。

マネー