ソニー・インタラクティブエンタテインメントの新型家庭用ゲーム機「Play Station 5(PS5)」の予約受付がスタートすると、瞬時に予約分は終了し、すぐさま通販サイトなどで予約の転売とみられる高額出品が相次ぎ大きな問題となっている。国内での希望小売価格は3万9980円(税別)からとなっているが、米EC大手の「eBay」では100万円以上の値段で売りに出されていることが明らかになっているが、なぜソニーは転売を止めることができなかったのだろうか。
日本のソニーストアでのPS5の第一回抽選販売では、9月17日までにソニーストアでMy Sony IDを利用した購入履歴のある人を対象にしたり、アメリカでは過去のプレイ実績や購入履歴でフィルタリングをかけて販売の優先順位を決めたりと対策は取ってきた。また、同社のジム・ライアン代表取締役社長は小売店に対してもできる限りひとり一台までの販売にするように願い出たというが、「たとえば一台購入してから、もう一度お店に行って列に並び、またもう一台買う、というのは止める方法が難しい」と、転売防止の難しさを「ファミ通.com」のインタビューでも語っている。
「実は今回、ソニーには大々的な転売防止策を講じることができなかった事情があるのです。PSシリーズは毎回、予約販売の注文が殺到することが繰り返されてきたため、前回のPS4を販売する際には欧米と日本での販売時期を約3カ月ずらし、台数を確保することで需要と供給のバランスを取り、転売ヤーがそれほど利益をあげられないように対策を講じました。しかし、これに対して《日本のユーザーを軽視している》と批判が殺到し、大炎上してしまったのです。それもあって、PS5は全世界で同時期に発売することとなったのですが、案の定、全世界の転売ヤーが一斉に自動プログラムなどを用いて予約注文をする結果を招いたと思われます」(ITジャーナリスト)
普通に入手することができるのはいつのことやら。
(小林洋三)
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