100万円超の逸品も!? 蚤の市で“お宝アンティークグラス”を発掘するコツ

 高齢の親族が亡くなり、遺品の整理などをする機会がある。納戸の奥から出てくる物の定番の一つが、アンティークグラスだ。たかだかガラスのコップじゃないか…とみくびってしまいそうだが、物によっては驚くほどの値段が付くのだ。古美術品にも詳しい古物商店主に話を聞いた。

「最も有名なのはアンティーククリスタルガラス細工の代名詞ともいえるバカラですね。日本人がアンティークグラスと聞いて、自然に思い浮かべるのがバカラグラスではないでしょうか。中でも人気が高いのが1900年前後のアールヌーボー期のものです。まさにエレガントな造形で、手にすればズッシリとした手応えがあります。ホールマーク・刻印で見分けるという方法もあるのですが、1936年以前の製作のものには刻印が入っていないので要注意です。高価な年代の物には逆に印がないというのが面白いところですね。もっと後の年代のものもかなりのそれなりの値段が付きますので、要チェックです。相場価格は、セットか単品か、箱がついているか…など様々な要因がありますので一概には言えないのですが、ひとつのグラスで数万円はザラですし、場合によっては100万を超える場合もあります」

 コロナ禍が起きる前は、ヨーロッパ各地の蚤の市をまわって、お宝を“発掘”する日本人コレクターの姿も見られた。売り子さんと値切り交渉をして、1万円前後で購入したグラスを鑑定したところ、20倍以上の値がつくこともあったというが…。

「日本ではあまり出回ってませんが、ルイ王朝時代からのフランスのクリスタル工房であるサンルイのグラスも人気があります。やはり一定時期以前のものにはマークが入っていません。中でも金彩が施されたものは希少性が高く、数万円の値が付く場合も珍しくありません。ドイツのマイセンクリスタルのグラスも人気があります。特に切子細工の施されたカラーグラスの中にはレアなものがあり、一個数万円の値がつく場合があります。グラスが曇っていても気にする必要はありません。古いものは現在と原料が異なり、時代とともに成分が表面に出て特有の曇りを帯びることは珍しくありません。またガラスに入った気泡は手作りの際に入るもので、グラスが本物である証拠のひとつと言えます」

 埃をかぶっていたコップひとつが思わぬ臨時収入を生むかもしれない。捨ててしまわないように注意だ。

(オフィスキング)

マネー