養生テープが定価の10倍に!? 転売ヤーの“台風便乗商法”が失敗に終わったワケ

 過去に経験したことがない最強クラスの台風10号が日本列島を直撃した。

「今回の台風は、2013年にフィリピンを襲った台風30号『ハイエン』の895hPa、最大瞬間風速90km並みのスーパー台風。この時、直撃した街の様子は、まるで大きな爆弾が落ちた後のように完全に壊滅していました。『可能であれば県外へ出てください』と警告する専門家もいましたが、決してオーバーな表現ではありません」(ワイドショースタッフ)

 そんなこともあり、直撃が不安視された九州や四国・中国地方では、防災用品を求める人々が、ホームセンターに殺到。防災グッズの品薄が続いているが、そんな中、またまた現れたのが、養生テープなどの防災グッズを転売する「転売ヤー」だ。

「平常時であれば数百円で購入可能な養生テープが、定価の10倍ほどとなる2千円〜3千円で出品されていました。というのも台風が上陸する前から、強風によって窓ガラスが破損しても破片が飛び散らないように、各メディアは養生テープで補強するよう警戒を呼び掛けていました。ガムテープでも代用可能ですが、はがした際に跡が残らない養生テープに人気が集中したようです。マスクの時と同様、人の弱みに付け込んでやりたい放題の輩がここ数日、増えていたようです」(ネットウォッチャー)

 台風の脅威がメディアで報じられ始めた9月4日には「養生テープ」というワードが、ツイッター・トレンドで上位にランキングされ、この”台風便乗商法”にSNS上では、

《また転売ヤーかよ。お前らの家だけに、台風が直撃するよう、願っています!》《台風10号で荒稼ぎしようとするなんて、ほんと気持ち悪いんだけど。不用品売ってるような人達が、いきなり養生テープの転売屋になってる!やばい!》《養生テープ、懐中電灯、カップ麺が売り切れ続出の模様。台風10号……みんなで耐えようね!!》といったコメントが続々。

 ただ、台風上陸となれば、流通がストップする可能性もあるため、

《いまさら養生テープを転売しても遅いんだよなぁ……届く頃には台風過ぎてるだろうし……ちょっと考えればわかるやろ!》《そもそも宅配も止まるし、届く頃には不要だよ。転売屋、頭悪い人が多いな~》といったコメントも。

「昨年の台風19号の時も、接近に備え、養生テープが異例の品薄状態となりましたが、一刻を争う事態ですからね。購入する側も当然、『いつまでに必着』と発送日時を指定してくるはず。しかし、台風で流通が止まれば、発送できないため、昨年の場合も、実際には取り引きが成立したケースは少なかったようです」(ワイドショースタッフ)

 それでも、イチかバチかを狙う転売ヤーたちは、「ヤフオク」や「メルカリ」などに、せっせと書き込み、金儲けを夢見ていたようだ

「彼らの主な仕入れルートはホームセンターや、工場用通販サイトですが、なかにはコロナ禍で失業し、背に腹はかえられないと、転売に走る人も少なくないといわれます。生きていくためには仕方がないとはいえ、結局は人の弱みに付け込んだ悪徳商法。ただ、経済が上向きにならない限り、今後ますます、この手の輩が増えていくことは間違いないでしょう。嫌な時代になったものです」(前出・ワイドショースタッフ)

 9月4日には福井県で震度5弱の地震を記録。コロナに加え、地震に台風と、日本列島が大災害に見舞われるたびに転売ヤーが暗躍するのは、おなじみのニュースとなりそうだ。

(灯倫太郎)

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