大手IT企業「インターネットイニシアティブ(IIJ)」が調査したところによると、5月以降から“迷惑メール”が急増しているという。
迷惑メールは5月に入ったと同時に増えはじめ、ゴールデンウィークが明けていったん落ち着いたものの、5月中旬には通常時より40倍近くが出回り、5月下旬から6月上旬には約60倍、6月下旬には80倍規模になっていたという。
迷惑メールが急増したのは、新型コロナウイルスでテレワーク勤務に移行する企業が多くなったことで、セキュリティ対策が整っていない家庭用パソコンを利用する人が増えたこと、またステイホームによってスマホに触れる時間が長くなったことが原因だと見られている。
最近の迷惑メールはどのようなものが多いのだろうか。
「大きく分けて3つのパターンになります。1つは迷惑メールの定番である女性を装った人物からの出会い系。2つ目は、ここ数年増えているアカウントロックメールです。これはAppleやAmazon、LINEなどを名乗り、『お使いのアカウントが不正ログインされたためロックされました。こちらのURLをクリックしてロックを解除してください』とスパムサイトへと案内するものです。3つ目は不在通知メール。主にSMSに届くもので、『お荷物のお届けに上がりましたが不在のため持ち帰りました』という文面にURLが貼り付けられ、クリックするとフィッシングサイトにつながるというものです。また、誤ってアプリをダウンロードしてしまった結果、口座情報などを盗み取られてネット通販で高額商品を買わされたり、勝手にAmazonギフト券やiTunesカードを購入させられて、それらのプリペイド情報が盗み取られるなどの被害が報告されています。そうした詐欺アプリがダウンロードされていることに気づかず、いつの間にか銀行の残高がゼロになっていたケースもあります」(ITジャーナリスト)
迷惑メールで被害に遭わないためには、身に覚えのないメールが届いたら絶対に文面のURLをクリックしないことだ。
(小林洋三)