コロナ禍の飲食店で無断キャンセルが急増!極悪「No show」たちの呆れた言い訳とは?

「何とか助けてください!」

 川崎市の洋菓子店で注文された60人分の特大ケーキ(4万8000円)が無断キャンセルされ、店のチーフがTwitterに悲痛な訴えを投稿。結果、16等分に切り分けてデコレーションをし直したケーキがわずか1時間半ほどで完売し、SNS上で話題になったのは12月初旬のことだ。

 無断キャンセルとは、予約をしていたにも関わらず、その日時になっても店に連絡なく、または店の連絡を無視し来店しないことで、「No show(ノーショー)」とも呼ばれる。

「この洋菓子店では、11月中旬に客から『支払いは当日で』という予約が入り、当日、受け渡し時間の午後8時にケーキを用意して待っていたものの、11時になっても客は現れず、電話もつながらなかったのだとか。幸いTwitterにより最悪の事態は逃れましたが、コロナ禍で厳しい経営が続く中、まだ平気で無断キャンセルをする輩がいるとは。理解に苦しみますね」(ネットライター)
 
 年の瀬を迎え、新型コロナウィルスの感染者数減少に伴い、飲食店では忘年会などの予約が増える時期。ところが、相変わらず「無断キャンセル」が後を絶たないという。

「無断キャンセルが社会問題としてクローズアップされはじめたのは、2017年頃から。連絡もなくドタキャンされた飲食店関係者の嘆きのSNS投稿がきっかけでした。その後、飲食店店主が、宴会予約を無断キャンセルした客に対して13万9200円の損害賠償請求の裁判を起こし、東京簡易裁判所がこの請求を認める判決を出したことで注目を集めました。経済産業省が2018年11月に発表した『No show対策レポート』によると、無断キャンセルによる年間損害額は2000億円。無断キャンセルによる被害は、本来発生したはずの売上がなくなり、用意していた食材の仕込みにかかった食材費・人件費・光熱費が無駄になるだけでなく、予約客の来店を考え、他の入店客を断らなければらなず、結果そのぶんの損失も加わります。コロナ禍で苦しむ飲食店にとって、無断キャンセルは経済的・精神的にも大打撃になるということです」(同)

 無断キャンセル急増の背景には、スマートフォンや予約ツールの進化により「とりあえず予約しておこう」という軽い気持ちが消費者の間に定着してしまったことが指摘されるが、都内で居酒屋を経営するオーナーによると、

「大半は『つい、うっかり』というパターンですが、なかにはこちらが電話すると『今、向かってます』と答えたあと、30分たって電話すると『タクシー乗ったので……』。1時間してもう一度電話したら『道に迷ってしまって』と答え、そのまま来なかった客もいますからね。結局泣き寝入りですよ」

 飲食店の予約サイトを運営する「ぐるなび」では、先月から無断キャンセルがあった飲食店に対し、損失の一部を補填するサービスをスタート。また、キャンセルが発生した際、キャンセル料の徴収が確実に行えるとして、事前決済を求める飲食店も増えているという。
   
 悪質な無断キャンセルは、決して許されるものではない。

(灯倫太郎)

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