開幕3連戦の「日替わり捕手」、矢野阪神が叩かれて原巨人が称賛されるワケ

 3連敗スタートとなった阪神に批判が集中している。開幕3連戦を終えて勝ち星ナシ、4番に指名したジャスティン・ボーアを早くも3試合目で6番に降格させるなどチグハグな采配が続いているからだが、「すぐに改めるべき」とOBたちの意見が一致しているのが、スタメン捕手の日替わり起用。昨季、129試合でマスクをかぶった梅野隆太郎がいるからだが、対戦した原巨人もスタメン捕手を代え、途中出場も含めて3人のキャッチャーを起用している。

 矢野燿大監督は酷評されて、原辰徳監督は何もナシ。その理由は勝敗だけではなかった。

「開幕戦と第3戦は小林誠司、2戦目は炭谷銀仁朗でした。試合途中から大城がマスクをかぶっています」(スポーツ紙記者)

 阪神は、開幕マスクは梅野。その後、原口文仁、坂本誠志郎と使い分けている。先発投手との相性、相手投手との対戦成績でスタメン捕手を入れ換えたとの証言は聞かれなかった。事前にスタメン出場は通達しているはず。梅野らが救援投手をリードできなかったことも3連敗の敗因に挙げられている。先のボーアもそうだが、打順だけではなく、セカンド、ショートのスタメンも代えている。これに対し、こんな情報も聞かれた。

「矢野監督は『チーム内競争』を口にしてきました。スタメンをある程度固定することの重要性は、捕手出身ですからわかっているはず。もちろん、梅野を正捕手としてもっと育てたいという気持ちもあるはず。でも、レギュラーを固定しない選手起用でチームを発奮させたい、とのメッセージではないでしょうか」(球界関係者)

 チーム内競争の采配が裏目に出てしまったわけだ。原監督も3連戦でスタメン、打順を代えている。スタメンマスクを代えることに関して、原監督は大型連敗を阻止する手段だと考えている。先発投手は負けても「中6日」の間隔があるから、マイナス思考をひきずらない。しかし、捕手は試合に出続けるため、気持ちの切替えが難しい。原監督が開幕3連戦で、早くも小林、炭谷、大城の3捕手を使ったのはこれから先の有事に備えるためである。

 矢野監督のチーム内競争論も間違っていない。しかし、梅野、原口、坂本を3人揃えて結果を出せなかったため、チームの雰囲気も悪くなってしまった。「勝ち続ける」以外、再建の方法はない。

(スポーツライター・飯山満)

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