トップジョッキーの愛車よりも高額!? 競走馬を運ぶ「6000万円高級車」の乗り心地

 慌ただしいG1シーズンもひと段落、6月13日からは函館競馬が開幕し、無観客ながら本格的な夏競馬のシーズンを迎えた。すでに騎手の移動制限も解除され、2歳新馬戦や函館リーディング争いに注目が集まるなか、6月5日付の「スポーツ報知」が気になるニュースを報じていた。

「プレミアム6000万円高級車で輸送」と題した記事によれば、安田記念(6月7日)に出走するダノンプレミアムが、昨年導入されたという超高級車で関東入りを果たしていたという。結果は4番人気に押されながら13着とふるわなかったものの、馬の輸送というデリケートな仕事に関わる「裏方」の苦労がよく伝わるニュースだった。

「馬運車で輸送する際は、ドライバーにも技術と経験が必要で、急ブレーキや急発進など、とにかく“急”がつく運転は絶対NGとされています。あとは温度管理も重要で、20度前後の快適な設定をキープしていないと、狭いスペースに押し込められた馬に、強いストレスがかかって暴れ出す危険性も。過去には転倒して骨折したケースもあったと聞きます」(競馬専門誌ライター)

 前出の記事によれば滋賀にある栗東から函館までの道のりは約21時間。すでに全国各地ではいたるところで真夏日を計測していることもあって、とりわけ車内の温度管理には気を使いそうだ。6000万円とまではいかなくても、函館競馬開催中の宿舎の駐車スペースにはトップジョッキー所有の高級車がズラリと並ぶのはおなじみの光景だという。

「安田記念をグランアレグリアで制した池添謙一騎手は毎年、高級外車を運び入れて、非開催日には早朝の調教を終えると、ドライブに出かけてリフレッシュしているそうです。他のジョッキーも池添騎手ほどではありませんが、そこそこの高級車で函館入りして、空いた時間ができると、気の合う者同士でゴルフに出かけるのが恒例行事となっています」(前出・競馬専門誌ライター)

 高級車は成功した証。6000万円の超高級車での輸送というVIP待遇を勝ち取るためにも、各馬には函館での激走を期待したい。

(渡辺俊哉)

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