薬局で買ったら劇薬だった!? コロナ対策「消毒液」選びの危険な勘違いとは?

 経済産業省からの発表および文部科学省からの通知などで、次亜塩素酸水の噴霧によるコロナ対策の効用が疑問視されて、すでに設置されていた小学校などでも噴霧器の撤去が進んでいる。またその他の公共機関や飲食店でも、設置を取りやめるなど、各所で対応に追われているようだ。

 良いと言われたり、悪いと言われたりと…情報が錯綜するコロナ対策の消毒液だが、その混乱に拍車をかけているのが、庶民にはいまひとつ分かりにくい、似たような名前の薬品。絶対に混同してはいけない2例について、医薬品に詳しい関係者に話を聞いた。

 ひとつ目は、話題の次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム液である。

「名前が似ている上に、ともに除菌・消毒に使われることから混同してしまうようです。しかし、両者の危険度は全く違います。次亜塩素酸水は基本的には人体への害がほぼないとされており、手や指の除菌、歯科では口内の除菌などにも使われています。一方、次亜塩素酸ナトリウム液とは、わかりやすくいえば台所用品に用いられる漂白剤がそれです。例え希釈したとしても、漂白剤で口内をすすいだり、人体に噴射しようなどと思う人はいませんよね」

 ふたつ目は、エタノールとメタノール。

「アルコールの一種であり、消毒用として使われることも多いエタノール。『70%以上の濃度のエタノールでの手や皮膚の消毒がコロナウイルス除去に有効』との発表が厚生省から出されたこともあり、引っ張りだこですね。このエタノールと勘違いされると危険なのが、メタノールです。エタノールと同じくアルコールであり名前も一字違いですが、危険度は全く違います。体内に入ってしまうと、視覚障害、失明、さらには死の危険までもある劇薬です。薬局でエタノールを求めたらメタノールが出てきた、などという報告もあります。注意が必要なのが、市販のエタノールには少量のメタノールを混ぜてあるものがある点です。少量でも体内に入れば危険なことには代わりありません。成分表示をきちんと見て買った方がよいでしょう」(前出・医薬品に詳しい関係者)

 いまだ出口の見えないコロナウイルスとの闘いにおいて、消毒液に関してはしっかりとした成分の見極めが必要のようだ。

(オフィスキング)

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