上司にしたい戦国武将ランキング発表!「麒麟がくる」光秀は6位で信長は?

 新型コロナウイルス対策で、「都道府県をまたいでの移動を控えるべし」と、お上からのお触れが出され、我々領民はいつ終わるとも知れない「ステイホーム」の籠城戦を強いられている。各藩藩主(都道府県首長)の対応もさまざまだが、それぞれに、お国柄も見て取れる。この未曽有の危機に人々はどんなリーダーを求めるのかを探ってみた。

 国や領民の生き残りをかけて、国同士が戦い、あるいは同盟して天下を平らかにすることを目指した戦国時代。コロナ禍の今に求められる上司像を戦国武将になぞらえてみると……。

 アンケートは全国の20代から60代までの男女各1000人、合計2000人に対して、「上司力」「尊敬度」「統率力」の3項目について実施。各項目ごとの総計を「総合力」としてランキングした。気になる順位はページの最後に示しているので、このまま読み進めてほしい。

 このランキングを見て、「週刊アサヒ芸能」の歴史顧問とも言える「真説!日本史傑物伝」連載中の歴史家・河合敦氏は、「まずまず順当ですね。男性・女性ともに徳川家康が1位なのは、やはりコロナ禍が影響して、安定を求める人が多いという表れでしょうね」と分析。

 一方、この3月までオフィス北野に所属し、師匠はたけし城の「殿」こと、かのビートたけし。お笑い芸人にして戦国マニアの桐畑トール氏は、「家康の1位はちょっと意外ですね。コロナ危機に求められる決断と行動の速さを考えると断然、織田信長が1番だろうと思っていたもんで」と驚きを隠さない。

 家康へ投票した人のアンケートのコメントに「部下に威圧感を与えなさそうだから」(福岡県・52歳・男性)というものがあったが、

「うーん、信長も部下に意外に優しいんだよ!って言ってあげたいですね。怖いイメージがあるのも事実ですが、使える人材とみれば優しいんですよ。柴田勝家は最初、織田家の後継者として信長の弟の信行(信勝)を担いでいたんですが、それを信長は許して、その後は筆頭家老にまで上り詰めましたし。戦国一の美女といわれた自分の妹・お市の方を嫁にやった浅井長政には裏切られ、信長が石山本願寺を攻める時に逃げた松永久秀なんかにも、『平蜘蛛の茶釜』をくれたら罪を許そうと言ったのに、茶釜と一緒に爆死されたり。極め付きは滋賀の大津といういちばんいい領地を渡した明智光秀に裏切られて本能寺で死ぬ。これだけ部下に裏切られ続けても、信長自身は部下を信頼してちっとも疑っていない」(桐畑氏)

 確かに「全てにおいて魅力的」(北海道・60 歳・男性)とか「気が荒いけど、気に入れられたら楽しそう」(愛知県・50歳・女性)と、ちょっとオイオイなコメントもあるほど、信長人気は健在のようだ。

「片や徳川家康は最後に天下を統一して安定政権を築いた人ですけど、信長、信玄、謙信、秀吉などの強豪勢がみんな死んでいなくなってからですから。家康は言ってみれば、後出しジャンケンで勝ったようなものですよ。まあ家康ファンの多いところでは言えないんですけど(笑)」(桐畑氏)

 かつては「究極の出世頭」(和歌山県・51歳・男性)という立身出世の権化として人気のあった豊臣秀吉の人気が近年は低迷。一方、本能寺で信長を討った明智光秀は、女性に限ると第3位で、秀吉は8位と下位にランキングされている。河合氏は、

「秀吉は一代で太閤、関白にまで上り詰めた人間ですが、今の若い人はそういう出世は望んでいないんです。出世すると責任も大きくなるし、結果責任を取るのも嫌なんです。明智光秀が女性で3位(総合6位)なのは、明らかに放映中の大河ドラマ『麒麟がくる』の人気です。2年前ならここまで上位にくることはなかったでしょうね」

 続けて、「ドラマでは他人に優しいし、側室を持たない。奥さんの煕子(ひろこ)一筋の誠実さが女性受けするのでしょう。そんな煕子との間に生まれたのが『たま』、のちのガラシャです。気性の激しい夫の細川忠興(ただおき)と対等に渡り合い、みずからの意志でキリシタンとなった。けれど石田三成に人質に取られそうになった時、細川家のために潔く死を選んだ。そんな自立したヒロインの父親というイメージも、光秀の女性人気の理由なのかもしれません」

 二人が共通して意外に感じたのは、ベスト40の17位に入っている浅井長政。河合氏にしてみると、「なんで?という気がしますね。信長の妹のお市を嫁にもらって、茶々、初、江という三姉妹の父親というだけ。戦上手だが、結局、自滅したので武将としては大した人ではない。戦国武将の先駆けだった北条早雲とか、長身のイケメンで人気の長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)や、上杉と戦って関東を制した北条氏康などより上位に入ったのが意外ですね」

 桐畑氏もうなずきながら、「僕は長政の小谷城があった滋賀県出身ですけど、おじいちゃんがすごかっただけのボンボンかなと。地元びいきで言うなら、関ケ原の実質的な西軍の大将・石田三成がベスト10に入っていないのが残念ですね。官僚的で人望がなかったとか悪く言われることが多い人ですが、地元滋賀ではとてもいい殿様というイメージなんですけどね」と不満顔だ。

■上司にしたい戦国武将ベスト40

1位:徳川家康(498点)/2位:織田信長(459点)/3位:武田信玄(375点)/4位:伊達政宗(330点)/5位:豊臣秀吉(288点)/6位:明智光秀(285点)/7位:上杉謙信(282点)/8位:真田幸村(237点)/9位:黒田官兵衛(201点)/10位:毛利元就(180点)/11位:直江兼続(168点)/12位:前田利家(150点)/13位:真田昌幸(138点)/14位:加藤清正(117点)/15位:石田三成(84点)/15位:竹中半兵衛(84点)/17位:浅井長政(78点)/18位:島津義弘(75点)/18位:山本勘助(75点)/20位:本多忠勝(57点)/21位:井伊直政(42点)/21位:北条氏康(42点)/23位:今川義元(39点)/24位:北条早雲(33点)/25位:立花宗茂(30点)/26位:蒲生氏郷(27点)/27位:小早川隆景(24点)/28位:藤堂高虎(21点)/28位:柴田勝家(21点)/28位:島左近(21点)/31位:福島正則(18点)/31位:大谷吉継(18点)/33位:斎藤道三(15点)/33位:長宗我部元親(15点)/35位:吉川元春(12点)/36位:宇喜多秀家(9点)/36位:細川勝元(9点)/36位:山名宗全(9点)/39位:筒井順慶(6点)/40位:小早川秀秋(5点)

河合敦:1965年、東京都生まれ。早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学(日本史専攻)。多摩大学客員教授。早稲田大学非常勤講師。歴史作家・歴史研究家として数多くの著作を刊行。テレビ出演も多数。主な著書:「早わかり日本史」(日本実業出版社)、「大久保利通」(小社)、「日本史は逆から学べ《江戸・戦国編》」(光文社知恵の森文庫)など。

桐畑トール:1972年、滋賀県生まれ。滋賀県立伊香高校卒業後、上京しお笑い芸人に。2005年、オフィス北野に移籍し、相方の無法松とお笑いコンビ「ほたるゲンジ」を結成。戦国マニアの芸人による戦国ライブなどを行う。「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)のリポーターとしてレギュラー出演中。現在、TAP(元オフィス北野)を退社しフリー。

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