鉄道ファンが激怒したテレ朝のインチキ報道!“船橋法典の乱”に警官も出動

「新型コロナウイルスに関するVTRで、JR蘇我駅に鉄道ファンが集まっている様子をお伝えしましたが、その中で、昨日ではなく今年3月に撮影された写真を1枚使用してしまいました。おわびして訂正致します」

 テレビ朝日の斎藤ちはるアナが5月20日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で謝罪したのは鉄道ファンへの侮辱的とも言える捏造報道がきっかけだった。19日、同番組は「キハ40形」と呼ばれる鉄道車両を撮影したいがために、JR蘇我駅に鉄道ファンが殺到し、かなりの「密」が生じたと伝えた。だが、そこで使われた写真が、実際には3月に撮影されたものという指摘を受けての“緊急謝罪”となったようだ。

「同じく”密”を伝える報道では、『バイキング』(フジテレビ系)がおよそ2カ月前の映像を使用したことで謝罪に追い込まれています。『バイキング』で捏造が発覚したのはマクドナルドのポスターがきっかけでしたが、この『モーニングショー』のウソを暴いたのは、鉄道ファンの分析力によるもの。普通の人間からすれば、ただホームに人が密集しているという何気ない写真でも、見る人が見たらすぐにバレるということですね」

 鉄道ファンの分析力には感心させられるばかりだが、5月18日には、前出の「キハ40形」をめぐって、こんな”事件”が起きていたのをご存じだろうか。その日、千葉県にあるJR武蔵野線・船橋法典駅のホームが異様な雰囲気に包まれた。一部始終を目撃していた地元住民が語る。

「この日は、3月までJR只見線で福島県内を走っていた『キハ40系』の車両が、定期運行を終え、小湊鉄道へ譲渡されることになっていて、その輸送シーンを撮影しようとホームには100人以上の”撮り鉄(鉄道ファン)”が集まり、早くからかなりの密状態で……。そのうち、ホームのあちこちで撮影ポジションをめぐる口論が始まって、撮り鉄のひとりが警察に通報。結局警官が出動する騒ぎになってしまったんです」

 船橋法典駅は中山競馬場の最寄り駅だが、現在は競馬開催がないため、人の乗り降りも少なく、そんな中でのふってわいた騒動に地元住民は眉を顰めるばかり。SNS上では、ホームの端部分に密集する鉄道ファンらしき人たちの姿と、駆けつけた警官が注意しに行く様子をとらえた映像がアップされ、《警官出動ってマジか》《コロナも恐れない撮り鉄、おそるべし》《みんなが騒いでいた“船橋法典の乱”ってこれか!》などと驚きの声があがっていた。

「もちろん鉄道車両や駅舎などの写真や動画を撮影して楽しむ“撮り鉄”は以前からいましたが、ここ数年、軽量小型のミラーレスカメラやスマホの普及によって、”にわか撮り鉄”が急激に増加したとも言われています。結果、マナーも心得ず、自己満足を追求する一部の撮り鉄による駅ホームの占有や、撮り鉄同士による撮影場所トラブルが増え、さらには撮影の邪魔だと一般人を恫喝したり、私有地に無断で入り、撮影の邪魔になると、民家の木の枝を勝手に切り落としたり、危険防止のフェンスを切ってしまったり、と迷惑行為を繰り返す輩が、やたら目立つようになってきたんです」(鉄道アナリスト)

 鉄道各社も彼らの対応に苦慮しているが、「とはいえ、正規の料金を払っている以上、こちらも”お客様”として扱わなければならず、なかなか強い態度が取れない。彼らもそんな我々の事情を知っていますから、余計迷惑行為がエスカレートしているように思います」(鉄道関係者)

 彼らの迷惑行為は不法侵入や器物損壊、鉄道営業法違反、威力業務妨害だけに留まらず、時には人命を危険にさらすこともあるはずだ。

「暴走する撮り鉄たちによって、最近では鉄道ファン全体が世間から冷たい目で見られています。結局は自分で自分の首を絞めているのと同じこと。多くの鉄道ファンのためにも、彼らにはその事実をしっかり自覚してほしいですね」(前出・鉄道アナリスト)

 テレビ朝日の「モーニングショー」が暴走する鉄道ファンをいさめる報道姿勢は間違っていなかったかもしれない。とはいえ、捏造は報道機関としてけっして許される行為ではないのだが……。

(灯倫太郎)

ライフ