鉄道ファンの間で増える「音鉄」一般乗客を戦々恐々とさせる一部マニアの暴走行為とは

 近年、鉄道オタクによる「迷惑行為」が世間を賑わしている。

 2月12日には「大阪来てなキャンペーン実行委員会」とJR西日本が「大阪来てな!TRAIN DAYS」を開催。湘南色115系車両を急行「鷲羽」に仕立てた特別運行車両が運行するとあって、「撮り鉄」がJR大阪駅に大集合。ホームに1000人超が溢れ、あちこちで「押さないで!」「危ない!」という悲鳴が上がった。幸い大きな事故は起こらなかったが、居合わせた一般乗客は何事かと思ったのではないだろうか。

 鉄オタにはこのような鉄道撮影を主とする「撮り鉄」、全国各地の路線に搭乗する「乗り鉄」、時刻表を研究する「時刻表鉄」などがおり、全国で1000万人はいるといわれている。

 そんな中、あるX民が鉄道車両の天井に録音機器を当てている姿を投稿。「これ何鉄に分類されるの?」と投稿したことが注目を集めた。

「鉄オタというと真っ先に思い浮かぶのは『撮り鉄』ですが、『音鉄』と称される音を楽しむマニアも少なくありません。『音鉄』の活動範囲は幅広く、車両のモーター音から始まり駅の構内放送や車内放送、発車メロディーを研究する層も。中にはレールのつなぎ目を通るときに発生する『ジョイント音』が好きというコアなファンもいます。近年は電車の『VVVFインバータ』と呼ばれるモーター回転制御装置の発生音に注目するオタが増え、日立や東芝などメーカー別の音の違いなどを熱く語っている姿をよく見かけますね」(鉄道ジャーナリスト)

 そんな究極のオタクに向け、近年は「録音専用列車」も運行されている。今年1月にはJR東日本の209系1000番代を使用した専用列車が常磐線で運行され、多くの「音鉄」が録音機材を手に乗車した。

「一般的に一部の強引な『撮り鉄』に比べ厄介度は低いといえますが、中には近くでちょっと音を立てただけで睨みつけてくる『音鉄』もいて、一般乗客を戦々恐々とさせている場面も見ますね」(鉄道ライター)

 好きな鉄道に熱意を向ける姿には感心させられるが、くれぐれも大きなトラブルに発展しないことを祈りたいものだ。

(ケン高田)

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