鉄道ファンの聖地「鉄道神社」が合格の神様として人気の理由とは?

 日本で最も標高の高い駅として知られるJR小梅線の「野辺山駅」(長野県南牧村)。そこから車で5分ほどの線路脇に日本でも唯一ここだけ、レールとSLの車輪をご神体として祀った「鉄道神社」がある。建立は05年と比較的新しいが鉄道ファンの間では聖地として有名で、実は合格祈願で訪れる人も少なくない。

 ちなみに神社があるのは、JRグループの鉄道最高地点の標高1375メートルの場所。この数字に秘密が隠されているそうだ。

「標高は『人皆合格(ひとみなごうかく)』や『人皆幸福(ひとみなこうふく)』と読むこともできます。単なる語呂合わせですが、そういう想いも込められています。あと、ご神体が車輪になっているのは夫婦円満や縁結びなどの意味もあるんです」

 そう説明するのは、建立に携わった地元有志による「JR最高地点を愛する会」のメンバー。地元にこれといった見どころが少なかったそうで、この最高地点を観光名所にしようと町おこしが目的だったという。

 実際、鉄道神社の存在はネットなどで拡散され、鳥居に隣接した小屋には《志望校に合格しますように》などと書かれた絵馬も数多く奉納されている。鉄道だと都内から約3時間、車でも2時間半と決して近くないが、日帰りでのアクセスも十分可能。そのため、受験シーズンのこの時期になると参拝に訪れる人が増えるとか。

 なお、小さな神社なので絵馬は隣にある「レストラン最高地点」か、踏切を超えたすぐ先にある「八ヶ岳グレイスホテル」の2ヶ所で販売。また、絵馬のほかにもお土産用のオリジナル卓上駒も購入できる。
 
「この辺は冬場でも雪がそこまで積もる場所ではないですが、標高があるので日中でも氷点下の日も多いです。訪れる際は暖かい格好をして来ることをオススメします」(同)

 晴れた日は雪に覆われた八ヶ岳が美しく、目の保養にもなるはず。興味がある方はぜひ!

(高島昌俊)

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