《朝までコロナ専門会議》(4)医療崩壊に続き、電気、ガス、水道が止まる

─緊急事態宣言の発出後も7割の「接触削減」が達成されていないというのが事実なら、今後、どういう事態に陥るのでしょうか。

C まずは早晩、深刻な医療崩壊が顕現化してくるでしょう。人工呼吸器や人工心肺装置の不足で、助かるはずの命が助からないなどという話は序の口です。最終的には医師や看護師などにも感染が爆発的に広がり、国内の医療機関は全面的な機能マヒ状態に陥ります。しかも、マヒ状態に陥るのは医療機関だけではありません。

─というと?

C データサイエンスの専門家らも指摘しているように、国内の感染者数が1000万人を超えるあたりから、あらゆる分野での機能停止が深刻化してきます。電気、ガス、水道、通信、公共交通、物流、さらには警察、消防、場合によっては官邸や政府、自衛隊もマヒ状態に陥ってしまうかもしれません。

─大変な事態ですね。

C 110番通報してもパトカーが来ない。119番通報をしても救急車が来ない。加えて、電気、ガス、水道の供給はストップし、スーパーやコンビニなども閉店、開いていても食料、飲料はほとんどなし。その結果、大量の餓死者が出ます。その間に、経済苦による自殺者も確実に急増するでしょう。さらに言えば、仮に接触機会を減らして最初の波から最後の波までなんとかやり過ごせたとしても、そのたびごとに、やや規模の小さいマヒ状態が2年間くらいは繰り返し続くことになるのです。

─壊滅状態ですね。

A これまた暗い話になりますが、今回の新型コロナウイルスは不気味なまでにしたたかです。中でも多くの専門家が懸念しているのが「再陽性率」です。事実、最初の波をやり過ごすことに成功したとされる韓国でも、陽性から陰性に転じた患者、つまり治ったはずの患者の中から、再び陽性に転じる者が100人以上も報告されています。

─抗体免疫を獲得しても安心はできない、と。

A 日本でも再陽性が疑われるケースが散見されていますが、仮に再陽性率が高かった場合、「日本人の全てが感染すれば‥‥」という、集団免疫による終息シナリオまで破綻することになり、新型コロナ禍はさらに長く続くか、いつまでも終わらない、ということになってしまいます。

─解決策は‥‥。

B 再陽性率が高ければ、たとえワクチンが開発されても効果は限定的です。そうなると、抜本的な解決策は治療薬の開発しかありません。しかし、開発にはそれ相応の期間が必要とされていますから、それまでは有効性のある既存薬などを駆使しながら、感染拡大の波を最小限に抑えるしか手はありません。新型コロナウイルスは、人と人との接触機会を「最低7割、極力8割」減らして退治できるほど、なまやさしい敵ではない、ということです。

【座談会出席者】
A=感染症の専門医
B=公衆衛生学の専門家
C=危機管理の専門家
D=政府関係者

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