板尾創路が俳優として活動しているため、ほんこんとのお笑いコンビ「130R」は実質的に活動休止状態となっている。板尾は東京、ほんこんは地元の関西を軸にしているため、2人がそろうことは稀。だが、2人は、キャリア33年のコンビ芸人。人生の半分以上を共にしているため、解散とは無縁だ。
ほんこんといえば、「よしもとブサイクランキング」の初年度(00年)から3連覇して初代殿堂入りをはたした“力ある顔面”。この数年では、関西ローカルのニュース番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(朝日放送)のパネラーとしても名を上げ、昨年7月20日には自著「日本のミカタ〜ボク、この国のことを愛してるだけやで!〜」(ワニブックス)を出版した。
舌鋒鋭い論客、著者として地位を築いた背景には、これまでにちりとり鍋、花屋、焼肉、たこ焼き、おにぎりほか飲食店のプロデュースを手がけてきたことが関係しているかもしれない。関西芸人で飲食店といえば、たむらけんじの焼肉店が有名だが、実はほんこんも“経験値”では負けていない。
ここまでになるには紆余曲折あり、だまれさたこともあったという。
「お好み焼『冨くら』をプロデュースしているほんこんさんですが、約12年前に焼肉屋『ほんこん亭』を出店しています。一般男性との共同経営で、オープンした月に600万円、翌月に725万円を売り上げ、ほんこんさんの手元には月200万円が入りました。しかし、3カ月目から0円。それでも店長を任せた男性は月給35万円をもらっていたうえ、レジから1日1万円をネコババ。社員やバイトには給料の遅配が発生していました」(芸能関係者)
裏切ったのは、店長だけではなかった。精肉業社との取引を全面的に任せていた料理長も、実際の取引金額と領収書に書く金額をごまかし、その誤差を懐にしまいこんでいたのだ。経理担当として、料理長の妻も雇用していたが……。勤務実態がなかったことが、のちに判明したというのだ。
「店長、料理長、経理女性の3人に騙されていたのです。店は4カ月で閉店しましたが、元店長は逃亡して、いまだに連絡が取れず。裁判を起こそうと内容証明を作ったものの、宙ぶらりんのままだといいます」(前出・芸能関係者)
ベテラン芸人が副業で遭っていた「トリプル詐欺」。解決の糸口さえつかめないまま、時間だけが過ぎたようだ。有名税の代償はいつだって大きい。
(北村ともこ)