いよいよ政府がロックダウン(都市封鎖)を宣言するとの噂も広まるなか、テレビ局では新年度の番組編成が大ピンチに窮しているようだ。
「プロ野球では4月24日の開幕を目指しているものの、ソフトバンクが無期限の活動休止を発表するなど、もはや再度の延期は避けられない状況に。そうなるとテレビ局側もプロ野球中継をアテにすることはできず、その穴を埋める番組が必要になります。一方でドラマやバラエティ番組でも、大勢のスタッフが集まっての番組収録を巡る議論が活発化。一部の演者からは出演拒否の声もあがっており、ロケどころからスタジオ収録すら難しくなりつつあるのが現状です」(テレビ誌ライター)
年度末に当たる3月終盤には、各局で急場しのぎの特番を放送。3月28日に放送されたお笑いネタ見せ番組の「ENGEIグランドスラム」(フジテレビ系)では、過去に同番組で披露された漫才の映像を多用することで、なんとか尺を埋める有様だった。そして新規の収録が難しくなる4月以降には、各テレビ局の編成が再放送で埋め尽くされるかもしれないというのである。
「その先例となっているのが現在のアメリカです。本来ならこの時期はカレッジバスケの決勝トーナメントである『マーチマッドネス』が全米の話題をさらっているほか、プロバスケのNBAやアイスホッケーのNHLではプレーオフに向けた終盤戦を繰り広げているもの。そして野球のMLBもシーズンが始まり、スポーツ大国アメリカならではの充実したスポーツ番組が楽しめるはずでした。ところがすべての競技が活動を休止しているなか、スポーツ専門局のESPNでは過去の試合映像やスポーツドキュメンタリーを連続して放送。さらにはキー局のFOXまでもが3月29日に、17年2月に開催された『第51回スーパーボウル』を再放送したのです。キー局がスポーツ中継を再放送するのは異例中の異例。そうまでしないと編成枠を埋められないという危機的な状況を露呈しています」(スポーツライター)
この調子だと日本でも「過去の日本シリーズ、全部見せます」といったレギュラー番組が放送される可能性すらありそうだ。
(北野大知)