WBC、五輪…2021年国際試合ラッシュに闘志を燃やす“あの男”

 東京五輪の「1年ほどの延期」を受け、NPBはいち早く、稲葉篤紀代表監督の続投を発表した。稲葉監督は21年3月にWBC、同年夏に五輪と、半年の間に世界一を懸けた大舞台を2回受け持つことになる。その緊張感と責任感は並大抵ではないが、それ以上に心配なのがグラウンドに立つ侍ジャパンメンバーのコンディションだ。

「3月にピークを設定し、また夏に五輪ですからね。過去4回を振り返ると、WBCに出場した選手の多くは同年のシーズン成績を落としていることからも心配です」(スポーツ紙記者)

 新型コロナの混乱で、まだ21年の対策は話し合われていないが、NPBには東京五輪が先延ばしとなった時点で、WBCとの“ダブルワーク”を懸念する声が出ている。今後、例えば東京五輪を若手中心のメンバー編成にする、プロアマ混合チームを作る、などという話も出てくるかもしれない。

 ただし一方で、あのオトコの強運ぶりも囁かれている。日本ハム・清宮幸太郎だ。今季は右肘手術の影響で大きく出遅れてしまった。しかし開幕延期が、その出遅れを取り戻すのに十分な時間を与えたとも言える。

「清宮は鎌ヶ谷の二軍施設で練習を続けています。昨年の骨折、今回の出遅れと続いたので、普通の高卒3年目の選手なら焦っているはずです。自分のペースを崩さないメンタル的な強さはさすがですね。稲葉監督は日本ハムのスポーツ・コミュニティ・オフィサー(SCO)の肩書を持っており、故障続きでも清宮が腐らずに一生懸命やっていることは知っています」(前出・スポーツ紙記者)

 清宮は早実時代、東京五輪の追加種目に野球が当選した時にマイクを向けられ、「オリンピックに出たい!」と明言している。ペナントレースでの活躍次第では、その夢が叶うかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ