このコーチング・インターンシップは「24歳の逸材」獲得の布石か?
千葉ロッテの沖縄県石垣島キャンプにWBCチェコ代表のアレックス・ダーハク打撃コーチが合流した。チェコとNPB、千葉ロッテ球団の野球交流の一環であり、同コーチは昨春のWBC大会で侍ジャパンと対戦したときの思い出話を報道陣に披露した。
「佐々木朗希がチェコ選手の膝にボールをぶつけてしまい、後日、お菓子を持って謝りに来た裏話もしていました」(地元メディア)
ダーハク打撃コーチは千葉ロッテキャンプに帯同し、指導法や調整方法などを実体験していく。しかし、今回のコーチング・インターンシップはこれで終了とはならないだろう。
「チェコ代表の4番も務めたマルク・フルプの今後にも影響していきそうです」(関係者)
フルプはチェコでは突出した野球センスの持ち主で、走攻守の全てを兼ね備えた右打ちの外野手だ。米国の大学でさらに野球技術を磨き、昨年のMLBドラフトでの指名を待ったが適わず、その後は米独立リーグでプレーしている。フルプの素質にはNPBスカウトも気付いており、今オフ、どこかの球団が獲得に動くのではないかとも予想されていた。
「フルプは西武、ダイエーで活躍した秋山幸二氏のような選手になると思います。でも、今は育成契約が精一杯、日本で野球を勉強する気があるのなら…」(在京球団スタッフ)
このコーチング・インターンシップで日本の野球環境の素晴らしさが伝われば、フルプもNPB行きを真剣に検討するのではないだろうか。「将来の夢」はMLBデビューだそうだが、昨季の米ドラフト会議以降、米独立リーグで3割強のハイアベレージを残してもオファーは貰えなかった。
「ダーハク打撃コーチは佐々木から四球を食らった選手の話はたくさんしてくれました。でも、佐々木から快心の二塁打を放ったフルプの話はしていません」(前出・地元メディア)
将来有望なフルプに、興味がないはずがない。千葉ロッテがその話をしないのは、MLB志望者を増やさないためか?
(飯山満/スポーツライター)