ブラジルのボタフォゴに移籍した元日本代表MF本田圭佑が3月15日(現地時間)に開催されたリオデジャネイロ州選手権のバングー戦に先発出場し、デビュー戦で初ゴールを奪って存在感を見せつけた。
この日がボタフォゴでのデビュー戦となった本田はインサイドハーフのポジションに据えられると、28分にチームメイトが得たPKのキッカーを任され、冷静にゴール左隅に沈めゴールを奪取。他にも味方の決定機をパスで演出するなど、様々な局面で質の高いプレーを見せつけ、地元メディア「Globo Esporte」からもチーム内最高点である6.5の評価を獲得する上々のデビュー戦となった。
試合後、本田は自身の有料メルマガにおいて、「デビュー戦というのは、他の仲間の心を一気に掴むのに一番大事な場なので」と初戦の重要性を語り、「PKというのは意図した形ではなかったですけど、どういう形であれ、個人的に数字を残すのが最も大事なことだった」と初得点を回想。一方、後半63分に監督から交代を命じられた点については「僕は90分出て、その中で結果を出す挑戦をしているんで、交代させられるとすごく“え?“ってなっちゃう。今日もまったく交代させられる意味が分からなかったんで」と不満を口にし、フル出場できなかった理由について、「また聞きに行こうと思ってますけどね」と本田節が健在であることを十分に示していた。
「PKでの得点はチームメイトのおかげという面もありますが、何よりも日本のサポーターを驚かせたのは加入したばかりのボタフォゴにおいて、味方が得たPKのチャンスで、キッカーの役割を周囲に譲らなかった点でしょう。新加入プレーヤーがPKキッカーとしての役割を得られるケースは少なく、また、明らかにスタミナ切れする様子が見られた上での交代命令にも、『意味がわからない』と愚痴をこぼす姿はまさに全盛期の本田を思わせる“王様ぶり“。本当に調子の悪い時期にはあまり公に向けてコメントを出さない本田ですが、この王様キャラが戻ってきたのはコンディションが上向いている証とも考えられ、ネットでも『まだ1試合だけど結局結果を出すのが格好良い』『PKを自分が蹴ると言い出す勇気に感銘を受けました』『やっぱかっけーわ!』との歓声が飛び交っています」(スポーツライター)
新型コロナウイルスの感染拡大により、デビュー戦は無観客試合という閑散なものとなった本田だが、ピッチの内外で放った“オレ様オーラ“は今後の活躍にも大きな期待を抱かせるものとなった。
(木村慎吾)