オランダのフィテッセを退団し、未所属となっていた元日本代表MF本田圭佑の新天地がブラジルのボタフォゴに決定した。現地メディアが1月31日、報じている。
昨年6月から所属先が決まらない状態が続いていた本田は、ロシア時代の恩師レオニド・スルツキ監督からのラブコールを受ける格好で、11月に晴れてフィテッセへの加入が決まっていたものの、チーム移籍後すぐにスルツキ監督の退任が決まるや否や、後を追うように本田もフィテッセから退団となっていた。
2020年東京五輪へのオーバーエイジ出場を願う本田は今冬の移籍マーケットで新たな所属先を模索していたところ、ようやくボタフォゴと2020年12月までの契約を締結。ブラジルのスポーツメディア「Lance」などが報じている。
フィテッセでは形となるような戦績を残せず、わずか1カ月での退団が現地でも物議を醸していた本田だが、それでも尚、マーケットでの“人気銘柄“として、中堅以下のクラブから一定の需要が存在するのにはワケがある。
「直近3年間の本田のプレーヤーとしての実績はお世辞にも“ワールドクラス“とはいえず、ハイレベルなヨーロッパから離れ、主にメキシコやオーストラリアなどでプレーし、かつて所属していたイタリアのセリエAからは2ランクほど下がる環境でした。しかも年齢は33歳。そんな本田に対して、縁もゆかりもないブラジルのボタフォゴがオファーを出したのはやはり本田を保有しておくことで生じる版権やグッズ収入、さらには放映権料の上昇なども狙いの一つでしょう。現在のブラジルリーグのクラブはその多くが財政難に苦しんでおり、“本田特需“による収益増加はいまだに魅力的な案件。極端な話、本田がピッチでゴールやアシストといった活躍をしなくても、ベンチに座らせておくだけで大幅な増収が見込めます。あの強豪ミランが、ほとんど活躍していなかった本田を契約満了まで頑なに放出しなかったのもマーケティング面での旨みが突出していたからだとされています」(スポーツライター)
もちろん、五輪出場への想いを馳せている本田自身はピッチ上で結果を残したいと強く願っているはずで、ボタフォゴを指揮するアウベルト・ヴァレンティン監督も本田について「選手としてのクオリティーが高く、経験も豊富。まだまだやれると思う」とコメントしており、世界各国のプロリーグを渡り歩いてきた本田の経験値を評価している。
初挑戦となるブラジルの地でかつての輝きを取り戻すことはできるだろうか。
(木村慎吾)