なぜ日本にはいない?芸能人の感染報告“ゼロ”に漂う違和感

 中国に端を発し、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。欧米ではトム・ハンクスや英国人俳優のイドリス・エルバらが感染を明かしたほか、アジアでも元K-POPグループメンバーのチョンハやタイ人俳優のマシュー・ディーンが感染。ベトナムではヨーロッパでのファッションショーから帰国した芸能人姉妹が感染したという。

 そんな諸外国に対して日本では現在のところ、芸能人の感染は報告されていないようだ。今となっては欧米よりも封じ込めに成功していると言われる日本だが、芸能界での感染防止事情はどうなっているのだろうか?

「3月1日放送のラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』で有吉は、収録現場での感染対策について説明。福岡でのロケではプロデューサーが消毒用アルコールを手に、こまめに撮影を止めてはカメラマンを含めて『もう手がボロボロになるんじゃねぇかってくらいアルコール消毒』(有吉)していたそうです。テレビの収録は演者とスタッフがスタジオにこもりっきりとなり、クラスター化の恐れが高い現場。そのためテレビ局では消毒やマスク着用を徹底していますし、もとより体育会的気質の世界ゆえにルール厳守の意識は高いようです」(テレビ誌ライター)

 ドラマでも撮影終了後の打ち上げが中止になるなど、テレビ局側は相当気を遣っているようだ。だがいくら収録現場での対策を徹底しても、芸能人のプライベートまでは縛れないもの。もちろん所属事務所側では注意喚起しているはずだが…。

「いまや感染が発覚すると自治体の記者会見で公表されますし、芸能人御用達の病院には感染症指定医療機関に該当するところがほとんどないので、入院を隠し続けるのもまず無理でしょう。それでも芸能人の感染者が出ていないことを、奇跡的に誰も感染していないと考えるのは楽観的に過ぎるのかもしれません」(芸能記者)

 そうなると、どこかにいるかもしれない芸能人感染者は一体全体、どうしているのだろうか?

「芸能事務所では毎日の検温を義務付け、発熱がある場合は自宅から出ないように指示するところもあるようです。欧米と違って日本では外出も買い物も自由ですから、マネージャーや後輩が必要な物を差し入れられますし、食事もウーバーイーツをはじめとする宅配で対応可能。それゆえ発熱後の2週間を自宅静養で乗り切ろうとする“ステルス感染者”があちこちで発生している可能性があります。もっとも、症状の軽い人は外出せずに自宅で静養するというのが新型コロナウイルス対策の一つですから、芸能界のステルス感染療法は意外と良策なのかもしれません」(前出・芸能記者)

 これまでは熱を押して現場に向かっていた芸能人が自宅にこもるだけでも、新型コロナをはじめとする様々な感染症を防げているのかもしれない。

(北野大知)

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