レッズ・秋山翔吾が自身の活躍で思い知るメジャーのドライ過ぎる選手扱い

 シンシナティ・レッズの秋山翔吾外野手が順調な滑り出しを見せた。ロイヤルズとのオープン戦に出場し(3月7日/現地時間)、2試合連続となるヒットを放ち、その時点でオープン戦の打率も3割4厘となった。

 大谷翔平や田中将大、ツインズに移籍した前田健太、そして、筒香嘉智のいるア・リーグばかりが報じられてきたが、これでナ・リーグ中部地区にも注目が集まりそうだ。しかし、米国ファンは別のことに関心があるという。

「秋山の活躍によって、レッズの起用問題が再燃しているんです。秋山は、レギュラーとして使うつもりで獲得はされましたが、前半戦はツープラトンになる可能性も指摘されています」(メジャー専門誌記者)

 昨季まで“秋山の役どころ”を任されていたのが、右投右打の若手有望株、ニック・センゼル外野手だ。2016年ドラフト会議で、全体2位で指名された逸材だが、スライダーを極端に苦手にしており、打率、打点、本塁打の全てにおいて突出した成績は残していない。24歳という若さを考えれば、これからの選手なのだが、レッズが秋山を獲得したのと同時に出てきたのが、このセンゼルの放出論だった。

「それでも、しばらくの間は左打ちの秋山と右打ちのセンゼルを併用すると見られているんです。しかし一方、センゼルはレギュラーで使ってくれるチームがあるのであれば、レッズを出たいと思っているようです」(前出・記者)

 それは、秋山にポジションを奪われたからではない。センゼルは昨季、オープン戦でかなり高い打撃成績を残したが、マイナースタートとなった。その理由は“契約”にあり、球団はセンゼルのフリーエージェント権利年を遅らせるため、メジャー登録の試合数を意図的に減らしたのだ。

「こうした登録試合数を操作するヤリ口は他球団でも見られるそうですが、ファンの間では“もったいない!”との声が上がっており、外野手、あるいは1、2番タイプのリードオフマンを探しているチームも熱視線を送っている状況。今のところ具体的な動きは出ていませんが、秋山がオープン戦で活躍していることで、“センゼルの放出は間違いない”との見方が強まっているわけです」(前出・記者)

 ひょっとすると、レッズは水面下で交換要員の品定めをしているのかもしれない。秋山はビジネスに徹したメジャーリーグのドライな一面を見せられることになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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