国会議員10人「絶対辞めない」言い逃れランキング(2)「疑惑発覚⇒病気」はブームか

 ベテラン議員が上位を独占する一方、8位に沈んで「言い逃れ下手」の〝烙印〟が押されたのは、小泉進次郎環境相(38)。昨年末に「週刊文春」で独身時代に人妻との不貞疑惑が報じられ、閣議後会見で質問が飛んだが、

「個人の事柄については、私からお話しすることはありません」

 小泉氏は同じ答えを繰り返し、疑惑を晴らそうともしなかった。

「大臣に就任するまでは、父親で元総理の純一郎さん(78)そっくりなしゃべり方で演説上手とまで言われていた。それが自分の下半身スキャンダルが噴出し、追及される側になると、言い訳の言葉すら持ち合わせていないことが露呈。どんどん馬脚を現し、将来の総理候補から遠のいてきた」(朝倉氏)

 窮地の場面こそ、得意のとんちんかんポエムで会見場を混乱させていれば、ランキングも上がっていたのに。

 1月23日に発売された「週刊文春」で党本部から政党支部に計1億5000万円が振り込まれたことが報じられ、公職選挙法違反疑惑と併せて国会で脚光を浴びているのは、河井案里参院議員(46)と夫の河井克行前法相(56)だ。

 昨年、公職選挙法違反疑惑が出てから雲隠れしていた夫妻は、それぞれ1月15日に記者団の前にようやく姿を現した。そこで克行氏は、

「捜査に支障を来すことについては発言を控える」

 と述べ、ひたすら逃げ切りを図った。

「何を発言しても捜査とは関係ありません。自分に都合が悪いからしゃべりたくないだけ。ただ、ツッコまれてもそれで乗り切ろうと開き直ったのは、ある意味、潔いとしか言いようがない」(朝倉氏)

 夫がそう言い逃れすれば、妻は「適応障害悪化の兆候が見られたので、療養していた」と雲隠れ政治家の常套句たる「病名」を繰り出し、失笑を買う始末。

 同じく公職選挙法違反疑惑が出てから姿を消した菅原一秀前経済産業相(58)も1月20日に囲み取材に応じると、シレッとした表情で「睡眠障害」になっていたとのたまった。

「ブームなのか(笑)、疑惑が出たとたんに病気を持ち出しますよね。病名を持ち出せば追及する側が何も言えなくなってしまう、とわかったうえでのこずるい戦法です」(ユリQ氏)

 人の心理につけこんだ悪質な言い逃れなので、ランキング上位入賞だ。

 1月13日、地元の福岡県直方市で行われた国政報告会で、「2000年の長きにわたって一つの言葉、一つの民族、一つの王朝が続いているなんていう国はここしかない」と述べたあと、政府方針との矛盾を突かれ、批判を浴びた麻生太郎副総理兼財務相(79)。その翌日には、

「比較的まとまった形で2000年近くの間、継続してきたことを述べただけ」

 と釈明。が、その顔に反省の色ナシ。「失言帝王」には言い逃れする気もサラサラなさそうだ。朝倉氏も感嘆しながら言う。

「もはや何が失言かわからない域まで達し、この程度では国民が驚かなくなってしまった。これまでの失言に比べたら、物足りなささえ感じます」

 最下位に選ばれたのは、カジノを含むIR事業を巡る汚職事件で、言い逃れに失敗して逮捕された秋元司衆院議員(48)。逮捕直前には各メディアの取材に応じ、

「根拠のない報道であり、信じないでほしい」

 と身の潔白を訴えた。が、それもむなしい遠ぼえに聞こえてくるばかり‥‥。

■スキャンダル議員の「言い逃れ上手」ランキング

1位 安倍晋三 
<主な発言>担当職員が「障害者雇用で短時間勤務だった」 
<発言の経緯と寸評>総理主催の「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄する際、4月22日にシュレッダーを利用予約し、廃棄が5月9日と時間がかかった経緯を、参院本会議で答弁。「堂々と言い訳するので、国民がツッコミ疲れて、マヒしてきた」(芸人・ユリオカ超特Q氏)

2位 菅義偉 
<主な発言>「反社会的勢力はさまざまな場面で使われ、定義は定まっていない」 
<発言の経緯と寸評>「桜を見る会」に反社会的勢力と見られる人物が出席していた問題を野党に追及されて。「詭弁で説得力はないけど、はね返す強さはピカイチ」(政治評論家・朝倉秀雄氏)

3位 河井克行&案里夫妻 
<主な発言>「捜査に支障を来すことについては発言を控える」(克行) 
<発言の経緯と寸評>夫婦そろって公職選挙法違反の疑いがかかる中、2カ月半ぶりとなる1月15日に姿を現し、ようやく疑惑について言及したが・・・。「発言しても捜査とは関係ナシ。ツッコまれてもそれだけで乗り切ろうと開き直った」(朝倉氏)

4位 菅原一秀 
<主な発言>「体調を崩した状況の中で医者に行ったら、睡眠障害という診断を受けた」
<発言の経緯と寸評>秘書が地元の有権者に香典を配って公職選挙法違反疑惑が出たあと、国会を欠席。1月20日に囲み取材に応じ、雲隠れしていた理由を問われて。「病名を持ち出せば何も言えなくなってしまう、とわかったうえでのこずるい戦法」(ユリQ氏)

5位 麻生太郎 
<主な発言>「比較的まとまった形で2000年近くの間、継続してきたことを述べただけ」 
<発言の経緯と寸評>地元の福岡県直方市で開いた国政報告会で「日本は2000年、一つの民族」と発言。その後、政府方針との矛盾を指摘され、釈明に追われた時の言葉。「もはや何が失言かわからない域まで達し、この程度では国民が驚かなくなった」(朝倉氏)

6位 萩生田光一 
<主な発言>「それに負けるな、という思いで発した言葉でございます」 
<発言の経緯と寸評>10月下旬、テレビ番組内で20年度から始まる大学入学共通テストで活用される英語の民間試験について、「身の丈に合わせて頑張って」と述べて炎上騒ぎに。発言撤回後の委員会で釈明に追われる。「当事者本人が自虐で言うならいいけど、政治家には言われたくない」(ユリQ氏)

7位 岩屋毅 
<主な発言>「天地神明に誓い、不正に関わっていない」 
<発言の経緯と寸評>カジノを含むIR事業参入を巡る汚職事件で、贈賄の疑いを持たれた中国企業から現金100万円が渡ったとされ、疑惑の目が向く中、記者会見では否定を繰り返した。「四字熟語を出したことでうさんくささが増した」(朝倉氏)

8位 小泉進次郎 
<主な発言>「個人の事柄については、私からお話しすることはありません」 
<発言の経緯と寸評>昨年末、週刊文春で独身時代の不貞疑惑を報じられたあと、閣議後会見で騒動について問われたが、同じ発言を繰り返すばかり。「自分が追及される側になると、言い訳の言葉すら持ち合わせていなかった」(朝倉氏)

9位 秋元司 
<主な発言>「根拠のない報道であり、信じないでほしい」 
<発言の経緯と寸評>IRに絡む汚職事件で逮捕される前、メディア取材に応じて身の潔白を訴えていた。ランキング入りメンバーの中で、唯一「言い逃れ」に失敗し、国会に顔を出せず。「捜査が進み、最初の逮捕容疑の現金300万円から、すでに賄賂総額は700万円超え。言い逃れ以前の問題」(朝倉氏)

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