ツイッターのトレンドでも上位になるほど大注目。ラグビーファンが歓声を送ったのがラグビー日本代表の背番号3、右プロップとして活躍した韓国出身の具智元(グ・ジウォン)選手の日本国籍取得のニュースだ。
「グループリーグ2戦目のアイルランド戦で、相手スクラムを押し切り、ペナルティを獲得した時のガッツポーズで、一躍ファンの心をつかみましたね。スコットランド戦では前半で肋骨を痛め、交代を余儀なくされたときに流した涙にもらい泣きしたファンも多かった。今や具選手は本当に大人気で、12月11日に行われた代表パレードでも沿道の多くの人から『グゥく~ん』と声援が飛んでいました。今回の日本国籍取得のニュースにも、『素晴らしい』『歓迎します』『君が代を歌ってる姿を見てファンになったのでうれしい』という喜びの声だけでなく、『韓国の魂と日本の心を持った選手になってください』など、その決断を気遣う書き込みも多くありました」(スポーツライター)
具選手は1994年、韓国・ソウルで生まれた。父はラグビーの元韓国代表。だが、競技を始めた子供たちのために、ラグビーが盛んではない韓国を離れ、ニュージーランドに移住。その後、具選手は中学時代に大分県に留学、家族とともに移り住んだ。日本文理大付高を経て、拓殖大学に進学。卒業後はトップリーグのホンダヒートに入り、2017年に日本代表初キャップを得ている。
「日本中を熱くさせたW杯での具選手の活躍ですが、本国韓国ではあまり報道されなかったようです。日韓関係が冷え切っている最中の大会でしたからね。実は日本でも、具選手が代表に選ばれた頃は色眼鏡で見る向きがなくはなかった。ラグビー代表の概念を知らない人にとっては、日本代表に韓国籍の選手がなぜいるのか不思議に映ったのかもしれません。ですが、今回のワールドカップでの大活躍、献身的な働き、そして癒やし系キャラも相まって、今では具選手を応援しないラグビーファンはいないでしょう」(スポーツライター)
ある意味、9月に報じられた横綱・白鳳のときよりもインパクトが大きかった具智元選手の日本国籍取得報道。今後のさらなる活躍で、ファンをたくさん喜ばせてほしいと願わずにはいられない。
(飯野さつき)