スキマ時間にできるオイシイ副業術(4)ボランティアでも高報酬の「治験」

 製薬会社の新薬開発に協力することで収入を得る「治験」というアルバイトがあるのをご存じか。
 
 治験とは「治療の臨床試験」を略した言葉。昨年放送された医療ドラマ「ブラックペアン」(TBS系)で、フリーアナウンサーの加藤綾子が治験コーディネーターを演じていることでも話題となった。
 
 みずからの体を新薬の実験台として高報酬を得る「謎のバイト」というイメージが強いが、あくまでも参加は「ボランティア」だ。そこで得る収入は「負担軽減費」の扱いとなり、案件によって金額もさまざまだ。
 
 それでは、効率的に治験で稼ぐには——。

  まず最初に行うのは「治験 募集」のキーワードで見つかる「治験情報サイト」への登録だ。「住所」「氏名」「年齢」「電話番号」「メールアドレス」に加え、「身長」「体重」を入力すれば会員登録が完了し、サイト内で次々とリストアップされる治験への応募が可能となる。
 
 ではいったい、どれほどの収入を得ることができるのか。
 
 大手サイトが斡旋していた「20歳から64歳の健康な男性」を対象とした「飲み薬」の案件では「通院×5日間」のスケジュールで謝礼金は8万円。日当1万6000円のオイシイ収入となる。さらに「45歳以上の糖尿病患者限定」の治験で8日間継続して入院することにより、25万円の謝礼金が支払われるというケースもあった。
 
 非常にワリがいいだけに、どれだけツラいのかが気になるところ。実際の参加者に聞いてみると、

「入院中はタバコも酒も禁止され、禁断症状が出そうになったのですが、それ以上にキツかったのは、1日に20数回の採血を受けたことですね。昼間は数十分に一度、看護師さんが部屋にやって来て血を抜かれるので気が休まる暇がない」

 こう語るのは「治験の常連」を自認する40代の劇団員だ。10日間の入院を要する「錠剤の治験」で、報酬は20万円だったという。これまで治験参加を繰り返し「生活のピンチを乗り切ってきた」という、このビンボー劇団員が注意事項をあげるには、

「治験を生活の手段として考える場合、気をつけるべきことがあります。治験では『一度参加すると、最低4カ月は間隔を空けなければいけない』というルールがあるので、何日か通院するだけのような”安い案件”を入れてしまうと全然儲かりません。逆に数週間入院といった“大口案件”を4カ月ごとに入れると、それだけで生活することも可能ですよ」

 万年金欠の劇団員は「4カ月に一度のボーナスチャンス」とたとえていた。

(もとおり・ひろゆき)

マネー