自律飛行ドローンによるいわゆる“空飛ぶタクシー”を、世界に先駆けて実用化を目指す中国の自律航空機メーカー「EHang」が、11月上旬に米ナスダック市場に新規上場を申請したが、その“空飛ぶタクシー”の用途が注目されている。
「同社は本社のある広州市で、まず『EHang 216』と呼ばれる二人乗り自律飛行ドローンを使った旅客サービスを開始しようとしています。その“空飛ぶタクシー”は、8本のアームと16枚のプロペラを備える2人乗りで、飛行可能時間は15〜30分ですが時速は130キロまで出るという。今や都市の交通渋滞は世界的な問題になっており、移動する乗り物は環境に優しく低騒音であることが求められている。その点、“空飛ぶタクシー”は、空中を視野に入れた立体的な交通方式によって公共交通に新しい考え方を提供し、渋滞を解決するに間違いありません」(交通評論家)
同社の戦略は着々と進んでいる。すでにオーストリアの航空部品メーカーFACCとは昨年に提携を結んでおり、20年には現地で自律飛行型の人を運べるドローンの量産を実現させる計画だという。ただし、現時点での最終目標については、こんな話もある。
「同社がドローンの指揮管理調整センターを目指すなかで、しばらくは“空飛ぶタクシー”を主として展開しますが、もちろん物流分野への進出も考えている。その中で運賃的にも最もオイシイとされているのが、臓器移植時の運搬です。臓器移植は時間との勝負であることから、迅速で時間も計算できるドローンは最適ですからね。ただし一方で、臓器売買などの悪質な商売が絡んでくる危険性を懸念されているんです」(中国事情に詳しいライター)
便利なだけならいいのだが…。
(蓮見茂)