劇的復活!?「ニコニコ動画」が黒字転換した“3つの要因”とは

 11月14日、KADOKAWAが19年第2四半期(4〜9月)の連結決算を発表し、最終利益が62億円と前年同期比192.7%増と大幅な増益となった。中でも、子会社のドワンゴが運営するウェブサービス事業「ニコニコ動画」が前年の1億円の赤字から15億9100万円の黒字へ転換しており、これに驚きの声があがっている。
 
「プレミアム会員(月額540円)がピークだった16年9月末の256万人から、今年9月末では171万人と会員離れが進行しているため、今回の黒字転換発表に対してネット上では《ニコ動が黒字ってマジ!?》《いやいやプレミアム会員減りまくってるのに》《堕ちるところまで堕ちて回復に向かったのか?》など、意外と見る意見が多く見られました」(ネットライター)

 ニコニコ動画が黒字化した理由は3つあるとされ、ひとつはプレミアム会員は減少したもののニコニコ動画内のニコニコチャンネルの有料会員数が、108万人と増加したこと。もうひとつは、4月に開催された「ニコニコ超会議2019」が過去最高の来場者数を記録するなど関連イベントが好調だったこと。最後に、六本木のライブ空間である「ニコファーレ」や池袋の「ニコニコ本社」を7月末に営業終了させたことで、コスト削減に繋がったことが挙げられる。
 
「今期は黒字化に成功しましたが、完全復活と言うにはまだ早いかもしれません。ニコ動はまだ広告に対する視聴者側の拒否反応が強いため配信者が収益化することが難しく、多くの人気配信者がYouTubeに流れていってしまいました。最近ではニコニコチャンネルの有料会員が増えたり、生放送における“投げ銭”と呼ばれるギフト機能が導入されたりと改善されてはいますが、それでもまだYouTubeには及ばないのが実情。他にもインパクトのあるサービスが必要とされているのが現状のようです」(ITジャーナリスト)

 メジャー化を目指すよりも、かつてのニッチな部分を楽しむようなサービスへ原点回帰を期待する声もある。

(小林洋三)

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