美馬学、鈴木大地に逃げられFA補強終結宣言!巨人ブランドはどこへ?

 山口俊がポスティグシステムによる米球界挑戦を表明した11月18日、巨人・大塚淳弘球団副代表が“フリーエージョント補強の打ち止め”を表明した。巨人といえば、これまでポスティングシステムによる米球界挑戦を認めてこなかった。それを容認したことも驚きだが、「オフのFA補強全敗」はそれ以上に異例の事態だ。

「同日早朝8時、FA権を行使して交渉中だった鈴木大地から断りの連絡が入ったそうです。山口の表明会見は以前から予定していたことですが、悪いことが重なった印象ですね」(スポーツ紙記者)

 今季の山口は最多勝など投手タイトルの三部門でトップ。FA市場にいた好投手・美馬学にも逃げられた後であり、悲観的にならざるを得ない。しかし、こんな見方もされている。

「今季はシーズンが始まっても巨人のFA補強に関する批判的な声が止みませんでした。5月になって、人的補償で内海、長野を喪失したことへの批判が再燃したりと」(球界関係者)

 理由はある。ジャイアンツカレンダーだ。主力選手のオリジナルショットが集められたもので、毎年ファンから好評を博している。その2019年カレンダーの1月が内海哲也で、5月が長野久義だった。退団選手が5月にドンと掲載されたということは、FA補強がいかに原監督の誕生による急展開だったかが伺える。ファンはそのカレンダーを見るたびに人的補償の悲劇を思い出していたのだろう。

「ただし、トレードや外国人選手の獲得はこれからです。原監督もトレードを検討しているような口ぶりでした」(前出・スポーツ紙記者)

 救援投手はマシソンが抜け、頭数さえ足りない状態。シーズンを通して投げてくれるリリーバーを獲るとなれば、それ相応の出血も覚悟しなければならないだろう。来年のカレンダーはすでに店頭に並んでいる。ポスティングを容認した山口の場合は仕方がないにしても、他にも掲載選手が流出するとなれば、巨人ファンにとって来季も切ないシーズンとなる。

 ドラフト1位の抽選にハズれ、日本シリーズは全敗。FA選手にはすべて逃げられ、5年ぶりの優勝の喜びも完全に収縮してしまったようだ。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ