ドワンゴが運営する「ニコニコ」へのサイバー攻撃の内容が徐々に明らかになり、その苛烈さに驚きの声が上がっている。
「ニコニコ」がサイバー攻撃により、サービスを停止したのは6月8日のこと。その後、14日になって、「ニコニコ動画（Re：仮）」が公開され、現在は開発チーム有志によって構築された「ニコニコ生放送（Re：仮）」がスタートしている。
14日に発表されたプレスリリースによると、障害の原因がコンピューターウイルスの一種である「ランサムウェア」による暗号化であることが確認されたという。そのため、「ニコニコ」のサービス全般と社内業務システムの一部を利用停止し、サーバーをシャットダウンした。同社は「正確な復旧時期は被害状況の調査次第ですが、1カ月以上かかる見込みであり、再開できるサービスから順次再開していく予定です」としている。
ドワンゴはさらなる感染拡大を防ぐために、社員のオフィスへの出社を原則禁止にし、社内ネットワーク、社内業務システムも停止している。
「同社は当初、ランサムウェアの攻撃だということを発表していませんでしたが、これは世間に公表すると相手側による追加攻撃が激しくなる可能性を危惧してのことだったようです。一方で、復旧までの代替であるニコニコ生放送（Re:仮）は、過去の動画しか見られないものの、逆に当時を懐かしむ声が相次いでいますね」（ITジャーナリスト）
今回のサイバー攻撃をめぐっては「秘密資料入手」とした一部の報道に対し、KADOKAWAが厳重に抗議すると発表するなど、波紋は広がるばかりだ。
1日も早い解決と復旧が望まれるのである。
（ケン高田）
