女子ゴルフの米国ツアーで、岩井千怜(ちさと)が鮮烈な初優勝を飾った。リビエラマヤオープン(メキシコ)最終日(5月25日)、6563ヤード・パー72のコースを7バーディー、1ボギーのフィールドベスト「66」で回り、通算12アンダー。圧倒的な強さで米ツアー参戦1年目にして初タイトルを手にした。
「シャンパンって、あんなに勢いがあるんですね。海外の選手たちも笑顔で出迎えてくれて……すごく嬉しかったです」
優勝後のインタビューで、岩井は屈託のない笑顔を見せた。
岩井は、双子の姉・明愛(あきえ)とともに“岩井ツインズ”として国内でも注目を集めてきた。さらに弟・光太も日大ゴルフ部でプロを目指しており、まさにゴルフ一家だ。
父・雄士さんは公務員、母・恵美子さんは看護師。共働き家庭で育った岩井姉妹に対して、「決して威張るな」「仲間を大切にしろ」といったしつけは、父の言葉によるものだったという。
「アマチュア時代からそうですが、プロになっても岩井姉妹は一切“上から目線”がなく、礼儀正しく、謙虚な姿勢を貫いています。こうした人間性は父親の教育の賜物でしょう」(スポーツ紙ゴルフ担当記者)
岩井がゴルフを始めたのは8歳の頃。ゴルフが趣味だった父に連れられて練習場に通うようになったのがきっかけだった。今やプロゴルファーの道は年間100万円以上の出費が当たり前
国内ツアーでは既に複数回の上位入賞を果たしており、“親孝行ゴルファー”としても知られる存在に。今回の優勝賞金は37.5万ドル(約5440万円)。家族とともに歩んできたその努力が、また一つ大きな実を結んだ。
岩井千怜の快進撃はまだ始まったばかり。その笑顔の裏には、地道な努力と家族への深い感謝が確かに宿っている。
(小田龍司)