大阪万博、記念硬貨は20倍に跳ね上がる「転売ヤー天国」の呆れた実態

 つい最近も、転売ヤーがマクドナルドの「ちいかわハッピーセット」のグッズだけを狙い、ハンバーガーを大量廃棄する様子がネット上に拡散し、物議を醸したばかり。

 そんな転売ヤーたちが今度は、大阪・関西万博で発売される「万博会場限定グッズ」をターゲットに高額転売を繰り返していることが問題視されている。

「万博会場限定グッズ」の中でも大人気なのが、ミャクミャクと人気キャラクターのコラボ商品。サンリオのキャラとのコラボぬいぐるみなどは、定価6000円台がフリマサイトで約1万円で転売されている例もあり、それでも落札が相次いでいる。

 たしかに、地方から大阪に行き現地でグッズを購入するとなれば、往復の新幹線代金と、7500円(大人)の万博1日券が必要。加えて宿泊した場合はその上約1~2万円の費用が掛かることになる。となれば、「少し上乗せされても安い買い物ができる」とばかり、割り切って手を出すファンも少なくないのも理解できるが…。

「ただ、フリマサイトでの数千円の上乗せはかわいいもので、数万~数十万円の値が付く非売品などの希少性グッズも多く、元値1万2980円のジェラート・ピケの『エアリーモコミャクミャク抱き枕』が約5倍、子供服ブランド『ファミリア』が会場内限定で販売した7万5000円のコラボグッズ6点セットも倍の値で出品されています。また、記念硬貨として1万円、1000円、500円とそれぞれの貨幣が発売されていますが、なかには500円貨幣2枚で1万円、つまり20倍の価格で販売しているサイトもあり、その大半がソールドアウト状態。さらに、万博誘致イベントの際に使用されたピカチュウぬいぐるみは非売記念品として、すでに20万円台で落札されている。開幕から1カ月余りでのこの状況は、驚きを通り越して呆れるばかりです」(社会部記者)

 大阪・関西万博では開園直後から、会場内にある「くら寿司」を事前予約できるEPARKのシステムを悪用、予約枠が数千円で販売される騒ぎが起こったり、「イタリア館」の専用アプリの事前予約したQRコードをスクショし、それを数千円で転売するなどの不届きな「予約枠転売ヤー」らが出現、問題視された。

「予約サイトなどでどんどん対策が講じられる中、そこで稼げなくなった転売ヤーたちが次々とフリマサイトに流れ始めた。ところが、万博ではいまだ個数制限のある商品も、レジに並び直すことで手に入れることが可能なため、言い方は悪いが、まさに転売ヤー天国の状態が続いています。テーマパーク業界などは特に、転売対策で試行錯誤を繰り返している。ならば、関西万博も事前にそういった先人たちにアドバイスを受けるなどして、教訓を取り入れるべきだった。そうしなかったことが転売ヤー天国という環境を作り出してしまった大きな要因と言えるでしょうね」(同)

 手を替え品を替える転売ヤーらに対し、今後「大阪万博」主催者らは、どのような策を講じ、対峙していくのだろうか。現状、法整備されているのは「チケット不正転売禁止法」のみだが、悪質な転売ヤーを取り締まるためには、さらなる「法整備」と「厳罰化」が必要になりそうだ。

(灯倫太郎)

ライフ