海外で広がる「航空機内への荷物持ち込み不可」日本で導入の可能性は…

 現在は格安航空会社(LCC)だけでなく、フルキャリアの一部航空会社でも実施している預け荷物の有料化。それでも7キロや10キロなどの重量制限はあるものの、その範囲内であれば機内への荷物持ち込みが認められている。

 ところが、最近は荷物の機内持ち込みを一切認めず、荷物は追加料金を払って預けなければならない航空会社もある。

 例えば、カナダ最大手のエアカナダは、北米・カリブ海路線を対象にエコノミークラスの最安値運賃で購入した場合、機内への荷物持ち込みができない(小さなハンドバッグやポーチなど手回り品1点はOK)。これまで規定サイズのスーツケースやバックパックは座席クラスや航空券の種類に関係なく持ち込めたが、今後はLCCなら持ち込める荷物ですら預ける必要がある。25年1月3日以降に購入の対象運賃に適用されており、荷物を預ける場合も当然ながら有料。1個目は35カナダドル(約3800円)だが、2個目以降は50カナダドル(約5400円)と安くなるどころか高くなる。

 こうした一連のルール変更にネット上では《流石にやりすぎ》《LCCより厳しい》などカナダ国民からブーイングが殺到。さらにカナダ・米国の両国の政界からも今回の改正に批判の声が上がっている。

「米国大手のユナイテッド航空も最安値運賃の利用客に対し、同様のルールを課しています。手ぶらで飛行機に乗る人はほとんどいないため、実質的な荷物の完全有料化とも言えます」(旅行誌編集者)

 しかも、普段飛行機を利用しない乗客の中には、この新ルールを知らない人も。荷物預け料金は、事前予約よりも当日直前で払うほうが高い。知らない場合は搭乗時まで気づかず、そこで航空会社の職員に荷物を持ち込めないこと、預けるにしても高額な手数料がかかること聞かされて愕然とするわけだ。

「荷物に関してLCC並みに厳しい海外のキャリアフラッグは増えており、エアカナダやユナイテッド航空の真似をするところは今後増えるかもしれません。JALやANAは今のところ機内持ち込み荷物については寛容ですが、この先も変わらないとは断言できません」(同)

 安い航空券には、安いなりの理由がある。特に海外の航空会社を利用する際は、注意事項などを見落としていないかしっかり確認するようにしておこう。

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