国内の公共交通機関にはいずれも何らかの「シニア割引」が適用されている。
例えば、航空各社は65歳以上(一部エアラインは60歳以上、LCCは除く)を対象に実施しており、路線バスなどは、自治体の支援で無料、または低額で乗車できる助成制度を行っている。ただ、こちらも対象年齢は65歳以上というケースがほとんどだ。
どちらも対象年齢に達した利用者にとってはありがたいサービスに違いないが、鉄道業界ではもう少し若いミドル層も対象とした割引サービスを実施しているのをご存じだろうか。
「クレジットカード付帯型で2年目からは年会費(2624円)が必要ですが、JR東日本・北海道の『大人の休日倶楽部ミドル』は、50~64歳を対象として、両管内のきっぷが5%割引で購入できる制度を実施中です。また、会員は利用時期こそ限定されるものの、新幹線・特急の自由席が乗り放題(指定席は6回まで)の『大人の休日パス(5日間)』の購入が可能。東日本全線は1万8800円、東日本+北海道全線が2万6620円と破格の値段で、これ目当てに入会する人も少なくないようです」(旅行誌編集者)
JR西日本の「おとなび」は、同社のWESTER会員が50歳に達したらウェブ上(アプリ上)の簡単な手続きで入会を行う。会員はGWやお盆・年末年始の最繁忙期を除き、JR西日本管内の101キロ以上の乗車券+特急券が30%オフで購入できる。同社管内の北陸新幹線の各駅からエリア外の東京に向かう場合にも、「おとなび首都圏往復フリーきっぷ」という割引率の高い会員限定のきっぷが販売されている。
「JR東海にも『エスクプレス予約』の50歳以上の会員(年会費1100円)向けに、新幹線往復+ホテルがセットになった『50+(フィフティプラス)』という専用割引プランがあります。出発前日まで購入可能なため、急な出張にも使えますね。JR西日本の『おとなび』は会費無料なのでとりあえず入会しておき、『大人の休日倶楽部ミドル』や『エクスプレス予約』は様子を見て判断すればいいと思います」(前出・編集者)
せっかく用意されているミドル世代向けの割引。対象年齢の方は活用してみてはいかがか。