スシロー北京店「10時間待ち人気」で株価急騰でも警戒すべき「中国特有のトラブル」って!?

 8月21日、回転寿司チェーン大手「スシロー」の中国北京市での第1号店がオープンしたが、初日は待ち時間が10時間を超え、長蛇の列ができた。

 複数の報道によると、初日は600組以上が来店したという。1皿10元(約200円)と、日本同様にリーズナブルな価格も支持された。

「周知のように中国は、2023年8月の福島第一原発の処理水放出を受けて、日本産水産物の輸入を全面的に停止しています。そのため、同店では中国産のウニやアワビのほか、世界各地の食材を使うことで200種類以上のメニューを用意したといいます」(国際部記者)

 ちなみにスシローは、21年に広東省で中国本土第1号店を開業しており、今回の北京店の開業により、中国の店舗数は45となった。

 北京店の大盛況は投資家にとっても朗報だったようだ。スシローを展開するFOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)の株価は急騰し、8月23日の終値は2707.5円と前日比114円高となった。Yahoo! JAPANファイナンスのネット掲示板では、《北京オープンで10時間待ちのニュース見たら買う以外の選択肢はなかったよ》《北京1号店、思ったより強力な上げ材料でしたね》《北京店ありがとうってことか》《なんか上がりそうなので800株買いました》など明るいコメントが目立った。

「F&LCの株価は北京店の動向だけに左右されるわけではありませんが、『10時間待ち』のインパクトは大きかったようです。ただ、中国の店舗で注意したいのは、思わぬトラブル。23年4月配信の『マネー現代』によると、中国で唯一の予約方法だったスシローのアプリが急に使えなくなったことがありました。中国政府は飲食業界に外国企業が進出することを快く思っておらず、スシローのトラブルは関係者の間では当局による『嫌がらせ』ではないかと見る者もいたようです。北京店の快進撃が逆に予想もしないトラブルを呼び、株価に大きな影響を与えることも十分考えられます」(マネー誌ライター)

 株価の上昇は歓迎だが、中国特有とも言える「まさかのトラブル」も頭に入れておきたい。

(石田英明)

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