セーヌ川の水質問題で道頓堀を…「モーニングショー」に大阪府民が大反発

 いよいよ7月27日(現地時間)にパリ五輪が開幕し、およそ3週間の大会期間中、32競技329種目が行われる。そんな中で懸念されているのが、30日と31日に予定されているトライアスロン。選手たちはセーヌ川を1.5キロメートル泳ぐことになっているのだが、水質が悪く、選手たちの体調面を心配する声が挙がっているのだ。

 7月25日放送の「羽鳥慎一 モーニングショー」(テレビ朝日系)が、セーヌ川の水質問題を取り上げたのだが、大阪市の中央部を流れる道頓堀川を引き合いに出したことで、大阪府民の反発を招いている。

 番組では、《セーヌ川 汚染どれくらい? 道頓堀と比べると》というテロップのもと、フランス政府とパリ市が約2400億円かけてセーヌ川の水質改善に取り組んできたことを説明。前回の東京大会では、大腸菌の濃度が100mlあたり250cfu以下という水質基準を満たし、なんとか開催できたが、セーヌ川は7月の段階で大腸菌数が900cfu前後で推移しているという。

 その後、番組MCの羽鳥慎一アナウンサーは解説ボードを使って、「ちなみに大阪の道頓堀川、2022年度で平均240。ギリギリ、水質基準以下と…。道頓堀川もだいぶキレイになりましたからね。昔と比べて」と解説すると、元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏は「(セーヌ川は)道頓堀川よりも4倍汚い。いや、それちょっと…」と絶句していたが、SNSでは《わざわざそこで道頓堀を持ってくんなよ》《なんで道頓堀?》《日本の汚い川代表みたいに取り上げるなよ》などと異論が噴出していた。

「たしかにかつての道頓堀川は『汚い川』として知られ、60年代には黒い水面をゴミが漂い、『ボウフラもわかない』と揶揄されたものです。しかし、大阪市は川底のゴミやヘドロを撤去するなど地道な作業を続け、2000年以降には上下流の水門を整備したことで水質は劇的に改善。現在は、魚がすみ着くまでキレイになり、鮎や二ホンウナギまでいるという話も耳にします。人間が泳いでも人体に影響があるかどうかという話題で、道頓堀川を引き合いに出して、大阪府民が反発するのも理解できますし、比較対象にするのは時代遅れだったかもしれません」(メディア誌ライター)

 なお、セーヌ川の水質が基準を満たさなかった場合、トライアスロンは「スイム」抜きで強行される可能性もあるという。安心安全なレースが行われることを祈るばかりだ。

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