夏の参院選を前に、与野党から消費税減税を求める声が相次いでいる。4月25日には立憲民主党の野田佳彦代表が食料品の消費税率をゼロに引き下げると表明したが、国の財政は大丈夫なのか。5月8日のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」で元テレビ朝日社員の玉川徹氏が代わりの財源と日本の国債について言及し、視聴者から異論が殺到している。
番組では食料品の「消費税ゼロ」で4.8兆円の減収になるとの専門家の試算を紹介。食品以外の消費税を2%引き上げると、4.8兆円の増収になるとの見解も示した。
この流れを受けて、玉川氏は「生活が苦しい人に対して苦しくないような形を取っていくのは重要」としながらも、「減税だけしてやっていけるような国じゃ日本はないことも忘れちゃいけない」と述べてこう続けた。
「国債もですね。この前、NHKの『NHKスペシャル』を見て、国債がもう海外で本当に日本の国債を買ってくれないっていう状況になっているのを見ましてね。『日本の財政、本当に大丈夫なんですか?』と本気で言われてるんですよね、財務省の担当者が」
金利が上がれば国債費もふくれあがると主張し、今後の人口減少について言及した玉川氏。「これだけ借金を抱えているのに減税だけやりましょうって言うのは無責任だと思っている」とコメントを締めくくった。
NHKの番組を引き合いに「日本の国債が海外で売れない」と主張したことで、SNSでは《NHKの受け売り》《え? あの番組を信じちゃったの?》《NHKの財務省広報番組にすっかり騙されてるな》といった反応が寄せられていた。
「玉川氏が言っていたのは4月13日に放送された『NHKスペシャル 未完のバトン』。財務省の官僚が中東ドバイの投資会社を訪ねて、日本の国債をセールスする現場に密着取材したものでした。日本の国債の信用度が落ちているとPRするような内容に、一部の識者からは『減税へのネガティブキャンペーン』『緊縮財政を堅守したい財務省の広報番組』などと厳しい批判が寄せられていました。実際、約1212兆円ある『国債及び国庫短期証券』の保有率を見ると、日銀がトップで約46%。民間銀行と生保・損保会社で合わせて約30%も保有し、財務省が売り込みをかけていた海外投資家は約12%しかありません。海外で売れないからといって、減税にNOを突きつけるのはナンセンスかもしれません」(メディア誌ライター)
いずれにしても消費税が参院選の大きな争点になりそうだ。