「飼料米もコシヒカリも変わらない」玉川徹氏に批判殺到「農家に謝れ」

 日本政府はコメの輸入拡大を目指し、2030年までに35万トンの輸出目標を掲げている。国内のコメ価格を安定させるためにもコメの増産が必須だが、生産コストの抑制が重要課題になっている。6月12日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」では、田植え1回で2回収穫できる「多収米」を取り上げたのだが、元テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏に「農家に謝れ」「農家を侮辱している」などと批判が殺到している。

「海外に輸出するには1にも2にも3にも4にも価格です」と口火を切った玉川氏は、専門家の発言を引用して「1キロ当たり100円を切るコストで作らなければ売れません」と断言。さらに農水省が取り組む「多収米」について、こう語った。

「僕も食べました。今から10年前くらい含めて、いろんな多収米を食べてきましたけど、味の違いなんかわかりません。はっきり言うと。今回、僕は古米とか古古米とか食べましたけど、みんなわかりません、そんなのは。『通常、飼料米にしてます』っていうお米を食べました。だいたい1.5倍くらい採れる多収米っていうの。だけど僕はコシヒカリと現場で食べ比べたけど、わからなかった。さらに言えば『飼料米じゃない』って作ってる多収米も食べたけど、それなんかむしろ美味しいくらいでした。コシヒカリと比べても。僕はね。だからわからないので、いっぱい採れたほうがいいに決まってます。コストが下がるから」

 飼料米とコシヒカリの味を比べて「変わらない」と私見を述べた玉川氏に、SNSでは「じゃあなんで農家はがんばってコシヒカリを作ってるんだ」「ブランド米は悪なのか」「飼料米と一緒にされたら農家さんもかわいそう」と様々な反応が寄せられていた。

「5月30日に、農水省で古古米と古古古米を含めた備蓄米を試食した玉川さんは『わかんね~』と味の差がないことに驚いていました。それ以来、玉川さんはことあるごとにブランド米と味が変わらないことを力説していましたが、さすがに飼料用米とコシヒカリを棚にあげて比較するのは無理があったかもしれません。コメ農家は食味試験で『特A』を取るために日々努力を積み重ねています。毎年発表される食味ランキングを参考に購入する消費者も多い。コメ価格の高騰は大問題ですが、コメのブランドを全否定する発言に、多くの視聴者が疑問を抱くのも当然かもしれません」(メディア誌ライター)

 コメの味が変わらないのはあくまで「個人の感想」だとしても、コメ農家の心境は複雑かもしれない。

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