「元七冠VS現七冠」は実現するか!?53歳・羽生善治九段が奪取を狙う藤井聡太の「王座位」

 近年、将棋界では藤井聡太の活躍ばかりが目立っているが、まだまだベテラン棋士も負けてはいない。

 羽生善治九段は7月4日、東京・渋谷区の将棋会館で行われた第72期王座戦挑戦者決定トーナメント準決勝で広瀬章人九段に118手で勝ち、挑戦者決定戦に進んだ。今後、決定戦を勝ち進めば、藤井聡太王座への挑戦権を獲得する。元七冠と現七冠の対決ともなれば、大きな注目を集めるのは間違いないだろう。

 羽生九段は現在タイトル獲得通算99期。今年は将棋連盟創立100周年にあたり、節目の年を100期獲得で飾りたいところだ。

「羽生九段は2017年に竜王位を奪取して99期目のタイトルを手にした以降、名人戦、棋聖戦、竜王戦、王将戦で100期を懸けて戦いましたが、いずれも敗れています。現在の順位はB級1組6位と、全盛期に比べればランクは落ちたとはいえ、53歳という年齢を考えたら驚異的な実力を見せており、羽生九段の豊富な実戦経験と潜在能力は棋界でも随一といっていい。王座奪還も十分にあり得るでしょう」(将棋ライター)

 羽生九段は2023年6月9日から日本将棋連盟会長に就任している。現役の会長がタイトル戦に挑むことになれば、1986年の名人戦で挑戦者になった大山康晴十五世名人以来38年ぶりの快挙である。

 藤井は6月20日、伊藤匠に敗れて八冠の内の1つ「叡王」を失ったばかり。そんな藤井と羽生九段のタイトルをかけた対決。まだ決定はしていないものの、実現すれば将棋ファンにとっては夢のような対局になるに違いない。

(ケン高田)

ライフ