北海道侵攻の前触れか!ロシアが猛抗議「NATO加盟国との訓練は断じて容認しない」

 ロシアが対日本で軍事力を含め強硬姿勢を一段と強めている。防衛省関係者が言う。

「日本は7月19日から25日の間に、北海道や関東の周辺でドイツ、フランス、スペイン空軍と航空自衛隊が共同訓練をする。狙いは、自由で開かれたインド太平洋の脅威となりつつある中国を意識してのもの。しかし今回は対中国はもちろんのこと、6月に電撃的に事実上の軍事協定を結んだロシアと北朝鮮をにらんだものでもある」

 自衛隊関係者によれば訓練は北海道訓練が19、20日で空自は千歳の第二航空団に所属するF-15戦闘機などが参加。ドイツからはユーロファイター戦闘機8機など計16機で、人員は約180人にのぼる。注目はスペイン空軍の初参加。戦闘機4機など計6機で、人員は約150人となる見込みだ。

 フランスとは、茨城県にある百里基地周辺でやはり19日から実施。空自側はF-2戦闘機が2機、フランス側はラファール戦闘機4機に人員は約260人を計画している。

 この共同訓練に激しく反発したのがロシアだ。外務省関係者が言う。

「北海道でのドイツとスペインとの訓練についてロシア外務省は『極東のロシア国境付近での挑発的な活動は、ロシアの安全保障にとって潜在的な脅威だ』とモスクワの日本大使館に抗議。さらに『岸田政権の無責任な政策が北東アジアやアジア太平洋地域全体の緊張を拡大させる。しかるべき対抗措置を取る』と脅してきたのです」

 自衛隊関係者はロシアの警告にピリピリする。

「ロシアといえばウクライナ侵攻前にウクライナではなく日本攻撃を準備していたと米ニューズウィーク誌がロシア連邦保安庁(FSB)内部情報を元に報じ大きな話題になった。どこまで真実かということで日本でも内閣調査室や防衛省、外務省が一斉に調査した。結果、ロシアの一部過激論者の間で、そうした論があったのは事実。そして今でも、その論は生きている。何しろロシアでは北方四島ロシア領はあたりまえ、北海道もロシア領と主張する幹部がいるほどだ」

 ロシアが、何かを契機にイチャモンをつける口実を探しているのはありありだ。というのも今年4月、ロシアは核兵器も搭載できる爆撃機ツポレフ95長距離戦略爆撃機を日本海の公海の上空に飛ばし、「定期的な飛行を行った」と威嚇的に発表している。

 政府関係者も警戒する。

「プーチン政権は相手国の政治情勢が混乱したり弱っていると見ると、そこを狙い一気呵成に攻めてくる。今回のロシア声明でもあえて岸田政権と名指ししたのは岸田政権支持率が低迷し、しかも弱腰と舐めているから。ロシアがウクライナ侵攻したのも米バイデン政権が弱腰と見たからだ言われている」

 いずれにしても問題は、今回の共同訓練後、ロシアがどのような報復攻撃に出てくるかだ。理不尽な対抗措置なら日本の毅然とした対応が望まれる。

(田村建光)

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