ロシアのプーチン大統領が訪朝して金正恩総書記と会談、「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名したのは6月19日のこと。
この条約には、いずれか一方が武力攻撃を受けて戦争状態におかれた場合、「軍事その他あらゆる手段を用いて援助をする」との条文が盛り込まれ、両国の軍事協力の加速が注目されている。
そんな中、両国においてもう一つ注目されているポイントがある。公の場に現れるようになった娘たちの存在だ。
プーチン大統領の2人の娘は6月、サンクトペテルブルクで行われた世界経済フォーラムに登場。1人は長女で内分泌学者のマリヤ・ボロンツォワ氏、もう1人は二女で国営財団のトップのカテリーナ・チホノワ氏だ。長女のほうは日本メディアの問いかけに日本語で答え、話題になった。
「長女にはプーチンの後継者説が出ています。昨年12月に突然、マリヤ氏が医療系非営利団体のインタビューに応じた際、『(ロシアは)経済中心の社会ではなく人間中心の社会だ』『最も価値があるのは人間の命だ』などと、国家観、人生観を語ったのですが、ロシアで公の場で人生観を話せるのはプーチンしかいないので、このタイミングで、これだけ堂々と人生観を披露したのは後継者だからではないかというのです」(ロシアウォッチャー)
一方、北朝鮮の方だが、2022年11月、金正恩氏の娘とされるキム・ジュエ氏が金正恩氏のミサイル試射視察に同行して公の場に初登場。それ以来、各地の視察に同行している。
「彼女については名前や年齢、兄弟姉妹の有無などについて諸説あり、はっきりしていませんが、金氏の第2子とみられ、11歳前後とされています。今年1月、韓国の国家情報院は『現時点では、同氏が後継者として最も可能性が高いと思われる』との分析を示しました。ただ、金正恩氏には男の子もいて、ジュエ氏は後継者ではないとの見方もあるようです」(北朝鮮ウォッチャー)
軍事的接近が注目される両国だが、後継者のほうも気になるところだ。
(鈴木十朗)