新幹線グランクラスよりも上! インドネシア最上位席「ラグジュアリークラス」極楽報告

 寝台列車や観光列車、クルーズトレインを除く、定期運行する鉄道の座席のうち、もっともグレードが高いのは、北海道・東北新幹線や北陸新幹線などで導入されているグランクラス。ゆったりとした座り心地抜群のシートに飲み物・軽食の提供、一部の駅では乗車前にラウンジを利用できるなどまさに至れり尽くせりだが、インドネシアにはそんなグランクラスを上回ると評判の座席が存在する。

 その名も「ラグジュアリークラス」。エコノミー、ビジネス、エグゼクティブより上の最上位クラスで、飛行機のビジネスクラスを思わせる半個室型のシートになっており、170度倒れるほぼフルフラットに近い仕様だ。

 さらに映画などが楽しめるモニターにUSBポートやコンセントなども完備。新幹線のグランクラス同様、飲み物や車中食の提供のほか、出発前には駅ラウンジの利用も可能だ。

 現在は首都ジャカルタとジャワ島東部にあるインドネシア第二の都市スラバヤを結ぶ特急など複数の列車に投入。筆者はジャカルタ中心部にある始発のガンビル駅から「アルゴブロモアグンレック号」で700㎞離れたスラバヤ市内にある終点パルールトゥリ駅まで乗車。やや斜めに窓側に向いている座席は、JALやANAの国際線ビジネスクラスと比べてもまったく遜色はないレベルだ。

 座席回りには読書灯もあり、収納スペースも充実。8時間に及ぶ長時間の移動でも疲れはほとんど感じなかった。ネット購入した切符の運賃は約135万ルピア(約1万3300円 ※運賃は変動制)と距離を考えるとリーズナブルとはいえ、物価安のインドネシアではかなり高め。それでも同区間の飛行機の相場は9000円から1万円のため、それでも割高というほどでもない。

 赴任中に出張や小旅行でラグジュアリークラスをよく利用していた元インドネシア駐在員Sさんは、「乗り心地は抜群。駐在員の間でも人気でした。日本でもぜひ導入してほしい」と話す。

 日本だとかなり高額になりそうだが、鉄道ファンや懐に余裕のある外国人旅行者などが飛びつくはず。こんなシートがあれば、列車の旅もより快適になりそうだが…。

(高島昌俊)

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