巨人が3月19日、20日に行われた千葉ロッテとのオープン戦で、それぞれ3-2のサヨナラ勝ち、6-0の快勝と、チームが盛り上がるような勝ち方ができたのは大きなプラスだが、懸念材料がないわけではない。
「正遊撃手、2年目の門脇誠の打撃不振です。キャンプではバットを立てる新打法で調整していましたが、結果が出なかった。そこで17日の日本ハム戦からはバットを寝かす従来のフォームに戻し、5打数3安打と状態が上向きになったかに見えました。しかし19日は3打数ノーヒット。20日は2打数1安打でしたが、この時点でオープン戦の打率は1割7分9厘。レギュラーを張るには物足りない結果となっています」(巨人担当記者)
打撃不振は気掛かりだが、周囲がそれ以上に懸念しているのがスタミナ面だという。
「阿部慎之助監督は、4番・岡本和真の次を打つ5番バッターを重要とし、適任者を探していました。その5番は坂本勇人で決まりましたが、チャンスメイクをするリードオフマン、つまり1、2番を誰で固定するのかは、まだ決めかねている。その候補の一人に挙げられていたのが門脇。オープン戦でも2番などを任されてきましたが、何せシーズンを通して激務な遊撃を守り通したことがない。打順の上位を任されるということは走る機会も多くなる。打撃不振と守備でバテてしまうのではないかともっぱらです」(同)
もっとも、門脇は高校、大学でフル出場していた体力も評価されプロ入りした。今季の遊撃でのフル出場とリードオフマンの兼務は「新たな試練」とも言えるが、こんな案も聞こえてくる。
「門脇に何かあっても、阿部監督は三塁にコンバートさせた坂本を遊撃に戻すことはしません。新外国人選手のオドーアにメジャーリーグ時代と同じ二塁を守らせ、吉川尚輝を遊撃にまわすか、ルーキーの泉口友汰を入れることになりそう」(同)
来日前のオドーアに対する評価は高くなかった。しかし首脳陣の助言にも耳を傾け、不慣れな外野守備にも慣れようと必死で、他球団スコアラーもその真摯さを認めている。阿部監督はまだ「門脇はレギュラー」の方針を変えていなが、迷うところだろう。
(飯山満/スポーツライター)